久々にマンガ三昧


 マンガを読んでいる時間は私にとって幸せな時間である。

 昨日、隣町のBOOKOFFに寄ったら…見つけました。

      「飢狼伝21巻」板垣恵介(講談社)

 今、一番好きなマンガですが、21巻が出てるの知りませんでした。
 不覚であった…奥付を見ると昨年末に発刊されてました。

 田舎のBOOKOFFは商品の回転がメチャ遅い。
 シドニイ・シェルダンのふた昔前のベストセラーが堂々と売られていたりするのを見ると、地方のBOOKOFFだなあとしみじみしてしまうのだが(笑)期待せずに入った店で、自分の読みたかった新刊を見つけて買う時の喜びといったら…

 21巻はカバーのイラストもカッコイイ!
 鞍馬と長田が、畑と姫川が戦う。そして松尾象山まで。
 最近の「飢狼伝」の展開はトーナメント形式という格闘系マンガの王道ながら、
 戦闘シーンの描写は他の追随を許さない。戦いにおける、スピード。質量。タイミング。間合い。リズム。恐怖。殺気。闘志。本能。
 それらが完璧なまでに描かれている。
 板垣氏がどれくらい取材され、脳漿を搾って書かれたことか…
 本当に素晴らしいマンガである。



 他にマンガを2冊。

 池上遼一「陰獣トリステサ」(文藝春秋)

 池上氏の作品では「サンクチュアリ」が好ききだが、この方は幻想的な作品でも優れた書き手である。泉鏡花の「天守物語」をマンガ化したものも素晴らしかった。
 池上氏は女性の魔性をたった一枚の絵で感じさせることができる。
 漫画家というより絵師というほうが相応しい。前世は浮世絵師だったりして…

 池上作品では女性が限りなく美しく、強く描かれる反面、男は醜く、無様で、卑小である。一体、この落差は何だろう。
 池上氏は谷崎潤一郎の「刺青」もマンガ化されているが、まさに女性に拝跪する意識を感じる。この感性は興味深い。

 「マンガで読む国防入門」   原案 石破茂   作画 原 望

 石破氏の「国防」(新潮社)は優れた内容だと思うが、「国防」を原案に日本の国防問題の問題点、盲点を指摘している。
 絵柄はもうひとつだが(笑)、マンガというのは文字だと分かりにくいことを分かりやすく伝えるという力がある。

 日本の主力戦闘機もイージス鑑も地上を攻撃する能力が殆ど無いという。日本がミサイルで攻撃されることが分かっていても、先制して攻撃できない。日本は本当に大丈夫か?少々心配になってくる内容である。


【付記】
 いつもコメントを頂く一風斎さんのHPである

  WEB浮世絵   http://www.geocities.jp/web_ukiyoe/

 この中に「美しき日本の面影富士」というコーナーがあり、そこに素晴らしい富士山の古写真が沢山載っている。
 浮世絵は日本が世界に誇る芸術だが、かっては日本の風景そのものが芸術的な美に溢れていたのだと思える。素晴らしいHPである。

 一風斎さんのブログ「草主人従」も面白い。
      http://blog65.fc2.com/greenfinger/

 5月2日付けのブログにイギリスのオーディション番組の様子がアップされている。
 ポール・ポッツさんという方が「誰も寝てはならぬ」というオペラ「トゥーランドット」のアリアを歌っている。
 「誰も寝てはならぬ」はプッチーニの名曲だが、ポッツさんの歌は何か心に触れるものがある。初めて観た時思わず涙が出た。