晴耕雨読


 本日はほぼ2週間ぶりの本格的な雨である。
 このところずっと外仕事が続いていたので、久しぶりにのんびりとした一日だった。

 窓から見ていると雨に打たれる新緑のもみじがとても綺麗である。
 雨に打たれたせいか、枝々が下に垂れている。
 気のせいか葉の先が少し黄色を帯びているように見える。
 そんな葉の微妙な色あいを見ていると飽きない。

 午後からは西舞鶴の郷土資料館にて特別講義があったので聴講に行った。

 テーマは「廻船」。
 地味そうなテーマだが、これが実に面白かった!

 江戸時代の経済は租税としての米の流通が中心であり、大量輸送の唯一の手段は海運だった。この地域も海運業が多いに栄えていたとのこと。

 奇しくも郷土資料館の受付の女性が海運で財を成した一族の末裔ということで、実家に伝わるお話なども披露して下さり、このお話も興味深かった。

 18世紀から主流となった船は弁財(弁才)船と呼ばれる型の船である。
 俗に千石船というが実際には1,500石積むこともできたそうである。

 宮津舞鶴、小浜にかけては海運が大変に栄えていた痕跡がある。
 最近、信仰と海上交通の関係を調べていて大変に興味あることが分かってきた。

 全国に存在する馬頭観音のうち三分の一がこの近辺に集中していているが、馬頭観音の信仰は海難救護の祈願が大きかったようである。
 ウチのお寺も建立された時は高野山から弁財天を勧請したとされる。(船の名称が弁財船なら当然、弁財天への信仰もあったはずである)。また、本堂に安置されている波切不動尊も、寺伝では天皇の病気平癒の為に若狭から勧請されたとされるが、波切不動尊は元来、海難守護が本来の信仰である。
 雨の日にそんな取り止めのないことを想像してみるのも楽しいことである。



 資料館の帰りにはBOOKOFFにて皆川亮二の「PeaceMaker」(集英社)を買う。
 皆川氏のマンガは「スプリガン」以来久しぶり。某ブログで勧めている方が居たので早速購入。
 晴耕雨読の締めくくりはやはりマンガである。