古本の誘惑
GEOというレンタルショップで前から観たかったアニメ「電脳コイル1」を借りることができた。そこは少しだが古本も置いていたので。ついフラフラと本棚の前に行き、何冊か買ってしまった。
早坂隆「世界の日本人ジョーク」(中公新書ラクレ)
笹間良彦「〔図説〕甲冑のすべて」(PHPエル新書)
鍵山秀三郎「鍵山秀三郎『一日一話』」(PHP)
竹村文近「はり100本 鍼灸で甦る身体」(新潮新書)
ちょっと古いベストセラーについて書くのは少し恥ずかしいが「世界の〜」は結構面白い。
ここから一席
ある豪華客船が航海の最中に沈みだした。船長は乗客たちに速やかに船から脱出して海に飛び込むように、指示しなければならなかった。
船長は、それぞれの外国人にこう言った。
アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士です」
ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則となっています」
イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ」
フランス人には「飛び込まないでください」
日本人には「みんな飛び込んでますよ」
このジョークが一番気に入りました…
さて、この本の中にこんな一節があった
日本とはやはり神秘の国である。
神道の信者が約一億500万人。
仏教徒が約9,500万人。
そして、「あなたの宗教は?」との質問に、約半数が「無宗教」と答える。(以下略)
日本に居ると分からないことだが、世界の標準は「信仰有り」であって、無宗教や無信仰があたかもかっこいいかのような、或いは、知的であるかのように錯覚しているのはかなり日本的だということを、知っておいてもいいのではないだろうか。アメリカなら数人に一人、ヨーロッパなら10人に一人は毎週教会へ行く。
以前、オーストラリアから来た10代の留学生の女の子がお寺に見学に来たので何気なく
“I am a priest”
と言ったら、その若い女学生の顔にさっと敬意の表情が浮かんだので、少しびっくりしたし、同時に嬉しかった。日本の十代の学生ではこの反応は無いだろうと思うと少し残念だった。
先日、あるブログを読んでいたらかなりショッキングなことが書いてあった。
その方はクリスチャンなのだが、仏教からキリスト教に改宗した理由というのが、自分の菩提寺の住職が、袈裟を着けたまま、飲み屋をハシゴするような人なので、とてもこの人に戒名を付けてもらい、お葬式を挙げてもらう気にはなれなかったのだという…以前、「文藝春秋」にクリスチャンに改宗した著名な作家F・U氏の一文が掲載されていたが、ほぼ同じ趣旨のことが書いてあった。
宗教に携わる者、といっても私は本当に末席の一人だが、仏教を広める必要を感じると同時に、そのような厳しい指摘、批判のあることは忘れないでおきたいと思っている。