親の本気について


お寺に参拝に来られた方とお話することがある。全く自分が知らないことがらについていろいろなことを教えて頂くことが多くて有難いと思うことが多い。

先日はNPO活動で不登校児童の問題に取り組んでおられる方とお話する機会があった。
その方によれば不登校になる子供の親には共通点があるそうである。

子供の直面している問題に一緒に取り組むのでなく、物を買い与えたりすることで、子供と真正面からぶつかることを避けるのが大きな特徴なのだという。特に母親が父親に問題を一任して、自分は逃げてしまうことが多いという。

母親に限らず、親が子供に真剣に向き合えないのは子供にとって大きな不幸である。
それは貧困や病気よりももっと大きな不幸かもしれない。

以前、ラジオの人生相談で聞いた話である。
20代の長男が定職に就かず、家に引きこもり、親の言動が気にいらないと暴力を振るうという相談があった。私にはどうもその回答者の答えはピントが外れている気がしてならなかった。
私だったら父親に空手を習うように言うかもしれない。
なにも暴力に暴力で対向せよというのではない。
父親が自分を諌めるために必死で空手を習う姿を見れば子供は変わるのではないかと思うからだ。子供に問題が生じたら、どちらの親も覚悟を決めないといけない。その覚悟は必ず子供に伝わる。

 残念だが手遅れというケースが無いわけではない
 だが、親が子供を信じて、見捨てず、逃げず、真剣に取り組む時、問題が解決する道が開けるのではないかと思っている。

 昨今の事件に見られる、あまりの短絡さや粗暴さを見ていると、日本の多くの家庭が崩壊しているように思えてならない。裕福で、教育熱心という両親であっても、子供との関係において必ずしも正しいとは言えないのだ。

 学校の成績などで子供を評価するのではなく、あなたが存在することそのものが素晴らしいのだと教えてやれる親、自然や宇宙の不思議を知識ではなく自分の感性で語れる親がもっと増えて欲しいと思わずにいられない。