夏の愉しみ

 連日、35度近い暑さが続いている。

 今日の午前中でようやく梅林の下刈りが終了した。炎天下の草刈はさすがにキツイ!
 午後もやはり参道の草刈である。いつも作業着の下にTシャツを着ているがこの時期の暑さでいつもシャツが汗でべったりと体に貼り付く…午後からはたまたま作業着の下にポロシャツを着たら、汗で体にくっつかないことに気がついた。Tシャツとポロシャツでは生地の織り方が違うようだが、ちよっとした発見だった。これから始まる炎天下での作業では使いたい裏業?である。もっとも体に貼り付いたTシャツっを脱ぎ捨てて、シャワーを浴びるのもこの時期の愉しみではあるが。

 午前中、一時間ほど時間を見つけて地元の書道展を見学。
 殆どが中高生なのだが明らかに私より上手い…

 書道の先生方の書かれた作品も出品されていた。その中にこの夏にぴったりの俳句を見つけた。

    ひっぱれる 糸まっすぐや 甲虫

 恐らく子供が甲虫(かぶとむし)に糸を付けて、何か物を引かせているのだろう。昔はそんなことをして遊んだ記憶がある。真っ白な糸の白さが眼に浮かんだ。
 この句を見ていたら昨年の夏、書道の先生が教えてくれた句を想いだした。

    匙舐めて  わらべ楽しも  夏氷

子供の頃食べたかき氷やアイスクリームはことの他美味しかった。
一杯のアイスクリームを真剣に味わって食べることももうないのだろう。

 もうすぐ暑い夏がまたやってくる。
 子供の頃、夏には一杯愉しみが詰まっていた。

 大人になるとしなければならないことに追われて。夏を愉しむゆとりのないことが多い。
 それはいいことなのか、悪いことなのか…
 時々は童心に返って夏を愉しみたいと思うことがある。


       谺(こだま)して 山ほととぎす ほしいまま   杉田久女