お茶漬けの味

今日も草刈である。
5時間ほど掛かって、ようやく予定していた面積を刈ることができた。

4時頃にようやく終わって、さすがに疲れたので横になりたくなった。
林道にコンクリート製の橋が掛かっていたのでその上にごろりと横になった。
この辺りは虫が多いので地面の上に寝ることはできないのである。

周りに樹が茂っていて陽があたらないし、下からは水音が絶え間なく聞こえてくるのでいい感じである。

今はネムの樹に花が咲く時期で、薄い紅色のふんわりした花があちこちのネムの樹に咲いていた。
空を見上げると、夏とはいっても空の色が真夏ほどくっきりしていなくて穏やかな感じで、その穏やかな青い空に雲がゆっくり流れていく。
家に帰ればシャワーを浴びるだけなので気楽なものである。
作業をする時はいつもタオルを頭に巻いているが、横になるとタオルの結び目が枕代わりになって具合がいいことに気がついた。こんな日がこれから何日続くのか…

梅林に行くと、取り残した梅が熟して、落果が始まっていた。
何十キロという黄色い梅の実がこぼれている風景はちょっともったいない…

妻は梅がもったいないといって梅の実を宅配便で片っ端から知人に送っていた。
残った梅はジャムにするといって大きな鍋で調理し始めた。

この時期重宝している本がある。

「 梅干・梅酒・うめ料理Q&A」藤巻あつ子(主婦と生活社)1300円

2年ほど前に買った本だが、著者は50年以上梅干を漬けているというからスゴイ。
梅干に始まって、梅酒、梅シロップ、ジャム、梅料理などなど何十というレシピが載っている。
料理やレシピに関する本は随分と出版されているが、この本の凄い所は梅を加工する際のトラブルシューティングまでが事細かに書かれていることである。
梅酒を作る時、梅の実を凍らせるというレシピがあるがそのレシピの検証とか、氷砂糖ではなく白砂糖、ざらめ、黒糖で梅酒を作ってみたり、梅を加工する際のトライアンドエラーがそのまま書かれているのである。
もちろん梅干を漬けてカビが生えた場合の対処法、土用干しで雨に濡れた場合の処置、梅シロップを作ってできた梅の再利用などなど、長年にわたるノウハウやコツを余すことなく伝授してくれている本である。

本というのは安いものだと思うことがある。
僅か千円ほどの値段で著者の何十年にも渡る経験を追体験することができるからである。
その意味でとても良心的な本だといえる。

この時期は食事の締めくくりは自家製の梅干(2年物)でお茶漬けである。
汗をいっぱいかいた後に食べる梅干のお茶漬けはことのほか美味しいのである。