人と自然の距離

本日は妻と兼務しているお寺の留守番へ。

ふと妻が「下に穴の開いた巣があるけど、あれは何?」と言うので良く見ると、スズメバチの巣であった。
大きさはグレープフルーツくらい。よく田舎の旅館に行くと巨大なスズメバチの巣が自慢げに置いてあったりするが、放置しておくと巨大化することは間違いない。帰り際に竹竿で叩き落して、駐車場まで猛ダッシュした。久々に真剣に走った…
やはりスズメバチには刺されたくない。
最近、普通のスズメバチより2、3割大きいのを何度か見かけた。
「手乗りスズメバチ」と表現したいくらいの大きさである。飛び方はゆっくりなのだが、羽音が大きい。ソ連の軍用ヘリコプターみたいで、ずんぐりした凶猛な感じがかなりヤバイ。気をつけねば…

この山寺の駐車場に住職が桃の樹を植えた。
1週間ほど前には、40個ほどの小さな実がたわわに実っていたのだが、数日前にたった一個を残して全部食べられてしまった。
アライグマか熊であるらしい。
数日前に参拝の方からこの駐車場で小熊を見たと知らされたので、小熊の仕業かもしれない。

20年ほど前までは動物が人里に下りてくるということは殆どなかった。
イノシシが捕れるとみんな珍しがって見に行ったそうである。
ところが今では夜に車を走らせると、車道をうろうろ歩いているイノシシによく遭遇する。
数年前に賽銭泥棒の被害が多発したので、夜間に見回りに行くと、境内中にイノシシの体臭が漂っていて、なんとも気持ち悪かったのを思い出す。

過疎化が進み、さらに山林が開発されることで以前より動物と人間の距離が近づくという現象があちこちでおきている。

特に農産物の被害が甚大で、このままでは地方の農業は壊滅することは間違いない。
かといって動物に再び人里はなれた山奥に追いやるというのはきわめて難しい。

これからこの問題はますます加速するだろう。
人と動物の適当な距離をどう保かは地方がこれから直面しなければならない大きな課題である。