林間学校にて

 本日の午前で地元仏教会主催の林間学校が無事終了した。

 僅か1日半の日程だが、ウォークラリー、川遊び、キャンプファイヤー、野外ゲーム、花火、温泉、工作、座禅、夏休みの宿題…とコンテンツが盛りだくさんである。

 子供達は大いに楽しんだようだが、引率の和尚さん達はさすがにお疲れの様子だった。

 初めてこの林間学校の引率に参加したのは4年ほど前だが、お坊さんになったばかりで周りのお坊さんも初対面の方が多いし、引率する子供の数も多いので、疲労困憊してしまい、林間学校が終わって山寺に帰りつくと、ばったり倒れて爆睡したことを思い出す。今年もやっぱり疲れた…

 子供と話していると、子供の中には現実と非現実ともつかない不思議なワールドがあって、とても興味深い。

 小学校4年生の女の子に「魔法が使えたら何がしたいですか?」と聞かれたので、内心、可愛いこと言うなと思いつつ半分冗談で「イケメン俳優になってアイドル歌手と結婚する」と答えた。その女の子に自分なら何がしたいかと尋ねると、しばらく考えて


 「地球温暖化を防ぎたい」

 
 と言われた…私より遥かに志が高かったのでちょっとビビった。

 子供達が大部屋で座禅をしていたので、私も廊下で見よう見まねで座禅していたら、眠気が襲ってきて、さっそく警策という棒で叩かれた。座禅の前に「去年、座禅の時に棒で叩かれて首が取れた女の子がいた」と冗談を言ったら、それを本気にして真剣に座禅している低学年の女の子が居たので可笑しかった。

 今回、私が一番よく話しをしたのは2年生の男の子だった。
 人懐っこくてテンションが高く、普段は小島よしおの真似をしたりしているのだが、少々体が弱く、突然、気持ちが落ち込んだりする…
 そんな様子を見ていうと、子供の不思議さ、危うさ、面白さを感じた。
 「将来なりたい職業」をたずねると「花屋と消防士」という答えが返ってきた。よく聞くと花屋か消防士になりたいのではなく「花屋をやっている消防士」になりたいのだそうである。今度、会った時はどうしてその職業に付きたいのか聞いてみたい…

 私達の住んでいる地域はいろんな宗派のお寺があり、お坊さん同士の交流も活発である。
 子供達が僅かな時間でも座禅に取り組んだり、お坊さんという未知の職業を身近に感じてもらえればとても良い刺激になると思っている。

 来年はどんな林間学校になるか、今から楽しみである。