発見!舞鶴のイチ押しレストラン
お坊さんならではの失敗というのがある。
知り合いがある大きい会社の創立50年を祝うパーティの出席したら、来賓に来ていた奈良の大きなお寺のお坊さんがスピーチの時に「会社の50周忌おめでとうございます!」と言っていたそうである。やはり「50周年」というべきだろう(笑)
昨年の夏、自分のお寺で結婚式を挙げ、先日、一周忌…ではなく一周年を迎えた。
参加者は双方の両親の兄弟のみという小じんまりしたものだったが、昨年は今年以上に猛暑で、とにかく暑かった!
冷房の無い座敷でウチワを片手に、仕出しのお弁当を食べるだけというささやかな披露宴だったが、今でも「暑かった披露宴」として親族には語り草である…
結婚記念日ということで市内で食事をすることになった。
「タケウチ」というフレンチ系レストランである。
小じんまりした店内に入るとお客は私達一組だけだった。
最初なので一番安い5500円のコースを予約してあった。
まずパン。
運ばれてくるとテーブルにふわーっと焼けた小麦のいい香りが広がる…
荒挽きにした地元の小麦粉と天然酵母のパンである。二人ともパンが好きである。
このパンだけで期待が高まった。二人共いきなりトップギア状態である。
スープは冷たいジャガイモのスープ。
しつこくなく、ジャガイモの甘みがしてするっと喉を滑っていく。
焼きたてのパンと冷たいスープの取り合わせが愉しい。
前菜はガスパチョ。
野原(のはら)という地元の漁港で取れた鮑がごろごろ入っている。
茄子や甘い瓜など夏野菜も入っている。そしてアサリのだし汁で作ったゼリーが上から掛けられている。量もかなりたっぷりである。
メインは鱸(スズキ)。ソースはエシャロットである。
付け合せの野菜もふんだん。ジャガイモ、カボチャ、オクラ、サツマイモ、タマネギ、ニンジン、ゴボウ…いずれも地元産らしく野菜の甘みが強くて美味しい。
魚の味、ソースの味、野菜の味、パンの味…これらが渾然となって本当に食事を堪能しているという気がした。
舞鶴は新鮮な魚介類も地元産の野菜もふんだんに手に入るという恵まれた条件にあるはずなのだが、それらを存分に楽しめるレストランというのに出会ったことがなかった。
舞鶴は歴史にも産業にも見るべきものはあるのだが、それらが観光資源として十分に活用されていないという感じがする。
私は地元に美味しいレストランとカフェが10軒づつくらい欲しいと思っている。
できれば安くてシンプルなお店と高くても満足度に高い店の両方が必要であろう。
奈良へ行くと、残されている文化的遺産は圧倒的だが、食事や休憩するポイントが貧弱であるという印象を受ける。
食事も美味しい店がきわめて少ないという評判である。観光客の立場からすればそこが奈良のウィークポイントである。
良いレストランとカフェは観光のインフラとして是非必要である。
その意味でもこのお店は舞鶴にとって希少価値が高いと思う。
デザートはすもものシャーベット、自家製のイチゴジャムと生クリームを添えたシフォンケーキ、地元の卵で作ったプリン。「甘い三連星」である。
シャーベットはすももの味がしっかりしている。果物のジェラートなどでミルクっぽい味のものがあるが、こちらはスモモの濃い味がする。
シフォンケーキもプリンも言うことなしである。とりわけプリンの味が濃厚で一口食べて「うーん」と唸ったら妻に笑われた。とにかく美味しい…
そしてコーヒーと一緒に奥様手製の焼き菓子が3種類。
クッキー、メレンゲ、パウンドケーキ…再び「甘い三連星」のジェットストリームアタックである。どこまでも攻込んで来る…
駐車場から車を出して、店の前を通るとシェフと奥さんが玄関で見送って下さった。
付かず離れず、気配りの効いた奥様のサービスにも文句無しである。
シンプルなコースながらとにかく美味しかった!料理もデザートも飾り立てていないが、素材を中心にずんずん正面突破してくる感じが素晴らしい。
久々に地元の美味しいお店を発見である。
舞鶴にお越しの際は是非ご予約を。もちろんこのお店を目当てに舞鶴の来られるの…
※ レストランタケウチ http://www3.ocn.ne.jp/~takechef/