山寺の忙しい季節

昨日は市街にある檀信徒の方の棚経に回った。

近年は駐車禁止の取り締まりが厳しいので奥さんなどを運転手として随行されるお坊さんも多い。
微妙な場所に車を止めていたりすると車が気になってお経に集中できなかったり、檀家さんとゆっくり話もできないので、昨年から市街については妻に運転してもらうことなって大助かりである。市内ではやたらとお坊さんに出会う。車、自転車、バイクいろんな乗り物に乗ったお坊さんはどなたも忙しそうである。うちなどは檀家さんが少ないお寺なので、檀家さんの多いお寺の忙しさはいかばかりかと思う。
妻も炎天下に車に乗り続けたせいで、身体の熱さが夜になっても抜けず、寝付かれなかったとのこと。大黒さん(お寺の奥さん)もなかなか大変である…

明日から3日が棚経も大詰め。
今日は兼務している山寺で留守番の日なので体調のメンテナンスである。
ヨーガ、呼吸法、気功などなどで時間をかけて身体を緩めていく。
 運動や呼吸を繰り返していると段々身体がほぐれてきてちょっと回復する。

 住職が今年から棚経は全て私に任せると宣言したので少々ブルーである。
 私が「お坊さんになんかならない!」と言い張って浪々の暮らしをしている間、何十年も一人で炎天下の棚経を続けてきたのだからそろそろ開放してあげてもいいかなとも思うのだが。だったらもうちょっと私の言うことも聞いて欲しかったりする…

 何年か前は棚経の真っ最中に連絡があり、兼務しているお寺の寺務所に泥棒が入ったとの知らせ。
 一番忙しい時に、警察と応対が大変だった。
 おまけにしばらくして庫裏の中の様子が何か変だと気づいた。
 庫裏にある全ての引き出しや戸棚が少しづつ隙間が開いているのである。
 泥棒は寺務所だけでなく庫裏も物色していたのだった…

 その泥棒は結局、3ヶ月の間に4回も寺務所に侵入した。
 今でこそ妹夫婦が住んでいるが当時は無住のお寺だったので、打つ手がなかった。
 4回も泥棒に入られ、さらにもう一回は来ると確信したのでそれから3ヶ月間毎晩、境内のお堂に潜んで泥棒の来るのを待った。
 ようやく5回目に侵入したところを警察に通報し、ようやく一件落着した。

 今でもお盆になるとこの時のことを思い出す。
 大変なことがあると、普通であることの有難さが分かる。
 お盆は忙しいけれどとにかく日常は変わることは無いのだ。

 そして棚経が終わったら、ブックオフでマンガ三昧の予定。これも例年変わりない…