スズメバチで労災

今朝は住職に頼まれて、庫裏の横手にある山の斜面を草刈していた。

何かが眼の前を飛んでいるなと思って、ふと見ると草刈機を握っている防振仕様の軍手の甲に大きなスズメバチが…ヤバイ!と思った瞬間に激しい痛みを感じた。焼けた針を突き刺されたようである。慌ててその場をはなれようとすると今度は頭に巻いているタオルの生え際のあたりにさらに一撃。どうやらスズメバチの巣のあった樹を刈り倒してしまったらしい。

スズメバチがさらに追いかけてくるので草刈機を持ったままダッシュ
道幅は大人が一人通れるくらいで、片側は落ちれば殆ど垂直に落下するような斜面である。おまけに自分の刈った草が折り重なっている。その道を転げるように走り降りた。
住職にスズメバチに刺されたと告げると「気休めにキンカンでも塗っとけ」と意味不明のことを言う。

よくスズメバチに刺されて人事不省になり死亡という話を聞くが、強い痛みはあるものの我慢できないことはない。だが、亡くなった祖母はマムシに咬まれたのに薬草を揉んで塗っただけ放っておいて結局入院したことを思い出した。さすがに心配になったので住職の軽トラックで近くの病院へ行った。病院へ行くなど3年ぶりくらいである。

だんだんとズキズキ痛みが増してきた。なぜかキョンキョンの「キュートなハートにズキドキッ」という歌のフレーズを思い浮かべた。激しい痛みにさすがはスズメバチだと感心。
診察してもらうと刺された直後に急激な症状が出なければ大丈夫とのこと。一応、抗アレルギーの点滴を受けるようにとのことだったので、点滴だけしてもらった。点滴初体験なのでちょっと嬉しい。

住職にスズメバチに刺されたことがあるかと聞くとバカバカしいことを聞くなという顔をして「何十回もある」との返事。道理で落ち着いているはずである。住職の歳になるまでにこれから何十回もスズメバチに刺されるかと思うと少々うんざりである。



【追記】

一ヶ月ほど前にテレビでスズメバチの捕獲を専門にしている業者のインタビューを観た。

刺された直後に指先で傷口を強く絞るようにすると注入されたばかりのハチの毒がある程度出せるそうである。
但し、口で吸い出そうとして、口の中に傷があるとそこから毒が回るので指先で毒を出すようにとのこと。私はすぐそのように処置したので回復が早かったのかもしれない。
4時間くらいで殆ど痛みがなくなった。覚えておいて損はないだろう。
よくハチは一度刺すと腸が引き出されて死ぬと言われるが、スズメバチの針は何度でも相手を突き刺せるそうである。なかなか手ごわい相手である…