山寺の困った隣人達


【お知らせ】

山寺のHP更新致しました。
宜しければ御笑覧下さいませ

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午前中は法事へ。

当地での法事は家でお勤めしたあと、供養した塔婆を持ってお墓参りをするのが慣わしである。
 檀家さんの軽自動車で山手にあるお墓へ行く。道の片側は一面の田んぼである。
 色付き始めた田んぼの中に何やら黒いものが動いていた。大きさは猫くらい。姿はネズミそっくりである。
 噂に聞くヌートリアという生き物らしい。もともとは戦争中に軍服用の毛皮を取るために養殖していた生き物だと聞いたことがある。水辺で暮らしているそうだが、全身がしっとりと濡れている。濡れネズミならぬ濡れヌートリアである。田んぼや畑を荒らして悪名が高いのだが、眼がくりくりっとして結構可愛い。法事の途中なのを忘れて思わずデジカメで撮影したくなった。

 高台にあるお墓についてお経を読み始めると眼下には一面に黄色く色づいた稲穂が風に揺れていて、心地よかった。一羽だけ白い鷺(さぎ)が田んぼの上を横切った。鷺と言えば、暫く前にお寺に池に鯉を鷺が襲って、半数以上が食べられてしまった。鷺は鯉を飼っているお寺にとっては厄介ものである。生き残った鯉も用心深くなり住職が手を叩いても近づかなくなった。


 困った隣人といえば、庫裏横の斜面に作られたスズメバチの巣を住職が撤去。
 中には白い卵が見える。時々孵化するらしく、真ん中にあいた出入り口からまだ上手く飛べないスズメバチが出てくる…

 境内の奥に歴代住職の墓石や石塔が並んでいて、そのまわりを緑色のふくふくした苔が覆われて結構お気に入りの場所だったのだが、数日前にあたり一面をイノシシが掘り返して景色が変わってしまった。イノシシはミミズを食べに来るらしいのだが、本当に厄介者である。苔の中に並ぶ石塔が気に入っていたのに…