犬猿の仲


先日、親しい檀家さんがゴーヤーを下さった。
うっかりして「私はゴーヤーが好きでジュースにしてよく飲むんです」と言ったら、それ以後、他の檀家さんからも続々とゴーヤーが届くようになった…恐るべきは檀家さんの口コミネットワークである。

今日は午前中に境内の草刈をしたのだが、暑さで食欲がなくなったので昼食のメインはゴーヤーとバナナと市販のパインジュースで作った生ジュースである。このジュースを飲むと夏バテした身体に不思議と元気が出てくる気がする。
ここ暫く、再び暑さが戻ってきたが、ゴーヤージュースで乗り切り予定である。


今年はどこへ行っても柿と栗が豊作である。

兼務している山寺の柿の木に熊がよじ登ってまだ青い柿の実を手当たり次第食べてしまった。
住職は防御策として柿の木の幹にトタン板を巻きつけた。幹にトタン板を巻くと、爪がかからないので木に登れなくなるのというのである。果たしてどれくらい効果があるのか…

 山寺の玄関のそばには大きな栗の木がある。
 山寺にはトモとバロンという2匹の犬がいるので猿達も敬遠していたようだが、枝もたわわに実った栗に眼がくらんだのか、境内の栗の木にやってきた。猿達はよほど手の皮が厚いのか、手でイガを剥いて栗を食べ始めた。丁度、事務所の窓際でパソコンを開いていた私が気づいてトモとバロンを放した。栗の木のすぐ横が急な斜面になっているが、2匹で山の斜面を登って猿たちを追いかけていった。

 バロンは脚の短いコーギーなので急な斜面をなかなか上手く登れないが、猟犬の血を受け継いでいて、脚の長いトモ(犬種不明)は急な斜面でもあっというまに駆け上がってしまう。

 結局、バロンは斜面を登るのを諦めて犬小屋に戻ってきた。頼りない奴…
 トモはなかなかグッジョブである。山の中をどこまでも追いかけて行くのが鳴き声で分かった。時々、猿の鳴き声が聞こえるがかなり切羽詰った感じ…住職も援護のつもりかロケット花火を何発も山に向けて打つ。トモに当たるとは考えないらしい(笑)

 もっとも犬たちが山の中を駆け回ると、いろんな有難くない虫を身体にくっ付けて帰ってくる。
 先日も妻が「トモが村野武則になった」というので見てみると、トモの眉間に黒い斑点ができている。まじまじ見てみると大きなダニである!このダニという生き物は強力な顎を持っていて一旦、獲物に食いつくと容易に離れないのである。私もダニやヒルといった吸血系の昆虫はかなり苦手なのだが、仕方なく何度も渾身の力を振るってようやく引き剥がした。

 山寺の暮らしというのは人間にとっても犬にとってものんびりしていているようだが大変なことも多いのである。