夏の名残 

 

いつもコメントを下さる一風斎様のHP“WEB浮世絵”は美麗な浮世絵や古写真の数々、そして該博な解説と相まって著名人にもファンの多いサイトです。

私は毎回、トップページの浮世絵や古写真をとても楽しみにしているのですが、この度更新されたトップページは広重の「富士三十六景 甲斐大月の原」という浮世絵でした。この時期にぴったりの美しい浮世絵だったので思わず唸ってしまいました。皆様も是非、ご覧になって下さいませ。

http://www.geocities.jp/web_ukiyoe/

滋賀県の大津にある滋賀県立近代美術館ではまもなく葛飾北斎展を開催とのこと。

http://www.shiga-kinbi.jp/exhibition/exhibition_database/pressrelease/exhibition_08-4.html

行ってみたいのですが、私は大勢でごった返す美術館の雰囲気は苦手。でも行きたいなあ…


 山寺では今でも蝉が鳴いています。

日本人にとって蝉の声は夏の風物ですが、欧米には蝉を知らない人も結構いるので、日本のドラマを欧米に輸出する時は蝉の声を消してから輸出すると聞いたことがあります。蝉を知らない人にとっては映像に被る蝉の声はノイズと間違われることがあるそうです。明治期に日本に来た欧米人の中には蝉の声を聞いて「樹が鳴いている」といった人もいたとか。

1週間ほど前に住職に頼まれて本堂に続く石段横の斜面で作業をしました。斜面に生えている雑木を切っていたのですが、すぐ眼の前の樹に蝉が止まっていました。蝉は普通はずっと高いところに止まって鳴くのですが、私の立っていたのが斜面だったので蝉の鳴くのを真横から見ることができました。

蝉の種類は分かりませんでしたが、身体の三分の一くらいある大きなお腹を振るわせ、何度も何度も反り返らせて鳴いていました。

見ていてとても激しい感じがしました。
あの小さな身体で人間の耳に響く鳴き声を立てようとしたら、本当に全力を振り絞って鳴いているのだと改めて感じました。

植物も動物も昆虫もいつも一生懸命だと感じることがあります。
人間は勝手な価値観や先入観で自然を指して可愛いとか綺麗とか、汚いとか醜いとか言ってしまいますが、根本にあるのは一生懸命だと思います。

山寺に暮らしていると自然の真剣な姿に打たれることがあります。



【お知らせ】
山寺のHP更新致しました。
宜しければ御笑覧下さいませ。
トップページの写真は本堂前の石段を上から見下ろしたところです。
   http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/