お墓でメッタ刺し!


いつの間にかセミの鳴き声が細くなり、夜にはクツワムシが大きな声で鳴くようになった。1日おきくらいに鹿の鳴き声も聞こえる。

この時期になって何故か蚊が増えた。

法事では家のお勤めの後、お墓参りするのが当地のやり方だが、お墓には蚊の多いことが多い。お墓のそばには大抵竹やぶがあるし、お墓の花立もまたボウフラの絶好の棲家である。

お墓参りにいってお墓の裏に巨大な竹やぶがあったりするとかなりブルーである。
先日もお墓参りに行ってものすごい数の蚊に襲われた。メッタ刺しである…お墓で読経するときは手に打ち鳴らしや経本を持っているので追い払うことはできないし、第一蚊を追っ払いながらお経を読むわけには行かない。ひたすら忍の一字である。

家に帰ると妹が私の頭を見て「お兄ちゃん螺髪(らほつ)ができてる」と言って笑いだした。
仏様の頭にあるくりくりしたものを螺髪(「らほつ」もしくは「らはつ」とも)というのだが、さすがは寺に娘である。専門用語を知っているだけ偉い。

僅かなことを「蚊に食われたほど」というが沢山に蚊に襲われるとなかなか大変である…

ちなみに以前、ものすごい巨大な頭髪の仏様を観たことがある。顔に比べてびっくりするくらい頭髪の量が多いのである。
案内の方の解説によればみんながどうしたら幸せになるか無限に近い時間考え続けている間に髪が伸びたのだという…なかなか素敵な仏様だと思った。