ぐっさんの<丹田力> 

京都新聞観察日記】【YouTube漂流記】

京都新聞は政治家が強権を振るうとぐずぐず言う悪い癖がある。
それでいて政治家の権力基盤が弱まると今度は「指導力が無い」とこき下ろすのだから始末が悪い(笑)

話題の絶えない大阪の橋下知事だが、17日付けの京都新聞のコラム「凡語」では橋下知事を(京都新聞が嫌いな)石原都知事になぞらえてやっぱりぐずぐず言っていた。「もっと温かさがほしい」そうである…怜悧に果断に進めないと大阪の大借金は決して無くならないと思うのだが、相変わらずの物言いである。ただ橋下知事には勢い余っての放言の類がやや多い気がする。大阪府民の多くは知事のやる気と手腕を認めているのに、度重なる失言で自ら府民の支持にブレーキを掛けている気がする。ちょっともったいない。

京都新聞の最近のヒットは京都市の教育界に関するニュースだろう。

校長、教頭らの管理職が業者に転任の度に金品を贈るなどの不適切な関係を続けていたことが報じられたばかりだが、17日の報道では、京都市教育委員会門川大作市長の教育長時代の談話を掲載した書籍を公費で購入してPTA関係者らに配布し、しかも書店から日付なしで発行された代金見積書に後で日付を書き加えていた。これは「選挙に関係なく立候補表明以前から注文していた」というアリバイ作りの疑いが濃厚である。
京都新聞は地元ならではの取材力を活かしてこうした掘り下たニュースの報道に力を入れてほしいものである。

京都新聞に記事では「テレビふぁいる」でお笑い評論家の西本昇氏が語るお笑への評論は毎回愉しみにしている。

 今回(平成20年9月17日)の西本氏は「さんまのまんま」で披露した山口智充の物まねの数々について絶賛していた。
 念のためYOUTUBEを検索したらちゃんとアップされてました。ちょっとびっくりである。
 タイトルは「グッさんの物まね♯1」「グッさんのものまね♯2」。投稿者sundysilence2101氏に感謝である。

 物まねや似顔絵など似せるという行為は特徴の一部を<デフォルメ>する場合と写真のように細部を<緻密>に模倣するという2つの方向があるように思う。
「鼻の穴を極端に大きくして北島三郎」というのは前者だし、「江戸屋猫八の鶯の鳴き声」は後者である。
<デフォルメ>の笑いは分かりやすいが下手すると安直になりがちである。
一方、緻密な物まねというのは必ずしも面白さにつながらない。「上手い」と「面白い」は別の感覚だからである。ところがぐっさんの場合は何を物まねするかという選択に独特のヒネリが効いていて実に面白いのである。
「車の衝突実験で椅子からずり落ちるダミー人形」「隣の町から風にのって流れてくる盆踊りの音」「外国人の大道芸のパァフォーマーが風船で犬を作ろうとして失敗する」などなど
「上手い」と「面白い」がちゃんと両立しているのである。

 丹田や骨盤底に意識を置くと心身がどっしりと落ち着いた感じになることがよく知られているが、ぐっさんの落ち着きぶりやお腹の底からのよく通る声などはこの<腹の力>=<丹田力>の充実が感じられる。アジアンの馬場園さんもこの<丹田力>がなかなか強いと思うがぐっさんはそれ以上である。
 その落ち着きがじっくり対象を観察するという芸風につながっているという気もする。

 <丹田力>が弱いと重心が安定しないし、肩に力が入ったり、気が上半身に上がりすぎるなどの状態になる。
 京都新聞の紙面を見ているとどうも<丹田力>の弱い人が書いているような印象を受ける。
 是非、ぐっさんを見習ってがんばって欲しいものである。