ザッツ・エンターテインメント!

暫く前に急にジーン・ケリーの「雨に歌えば」を観たくなった。
レンタルショップに行ったら「ザッツ・エンターテインメント!」というミュージカル映画のアンソロジーが眼について借りてみた。

ハリウッドの中でも最大手で特にミュージカル映画では他社の追随を許さなかったMGM社が過去のミュージカル映画の名場面を編集したものである。面白くないわけがない。
映画の紹介も単なるナレーションではなくてフランク・シナトラビング・クロスビーエリザベス・テイラーフレッド・アステアなど往年の大スターが出演して紹介役を勤めるのである。

何千人というスタッフ、何千人というエキストラ…そして容姿も歌も踊りも最高のスター達。これらが織り成すミュージカル映画の輝きには圧倒される。特にフレッド・アステアのダンスは素晴らしいの一語に尽きる。
眼福という言葉がぴったりの映画である。

アメリカの大統領選挙もいよいよ終盤だがいつまでも混戦が続いて眼が離せない。
Yahooのニュースを見ていたら「オバマ派に脅迫、暴行されたと訴えていたマケイン候補のボランティアが狂言を自白」と報じられていた。最後まで混戦が続きそうである。

気になるのは共和党のぺイリン候補の存在である。
10月23日の産経には「エンタメ化する選挙戦」という面白い記事が載っていた。

老舗の政治風刺番組「サタデー・ナイト・ライブ」ではペイリン氏のそっくりさんによるコントが大人気でそのため<頭が空っぽで大統領になる準備のできていない(副大統領)候補>というイメージが国民の間に定着しつつあるという。

記事によれば同番組では1976年の選挙の時も共和党のフォード候補を間抜けに演じるコントが人気を博し、フォード氏の落選の要因になったとのこと。その反対に共和党ニクソン氏は対抗馬が出演を拒否したコメディショーに出演して高感度が上がり、当選に貢献したとも言われるそうである。

アメリカのエンターテイメントの伝統は素晴らしいが、大統領選挙という国家の趨勢に大きく影響する場面までがエンターテイメントの良し悪しに踊らされるというのは少しひっかかる気がする。

日本でも政治家のものまねを中心とした社会派のコント集団ザ・ニュースペーパーが人気である。
Youtubeで観るとここのコントは結構面白いのだが、安部前総理はすっかり駄目キャラになっている。

朝日新聞京都新聞は「政権を投げ出した安部」というのを枕言葉のように使っているが、そうした紋きり型の非難より、コントの中で粛々と駄目キャラを演じさされるほうがある意味マイナス効果は大きいのではないだろうか。私は安部氏にはまだまだ期待したいと思っているのだが…