「ヴィリ」山岸涼子


先日、久しぶりに山岸涼子さんの作品を読んだ。
バレエを題材にした「ヴィリ」(メディアファァクトリー)という作品である。

念のためウィキペディア山岸涼子さんのことを検索したら。「オーブリー・ビアズリーの影響を受けた」と書かれてあった。常々、山岸涼子さんの絵というのは独特の、何か心に残るものがあると思っていたがビアズリーの影響があるというのは恥ずかしながら初めて知った。

ちなみにアシスタント経験者に今市子さん、槇村さとるさんの両氏が挙げられていた。お二人とも好きな漫画家なので、一層納得。

ヴィリというのは結婚直前に亡くなった女性が精霊になったものでクラッシックバレエ「ジゼル」に登場する。
作品では新しいパトロンに心を奪われながらも、「ジゼル」の公演に情熱を傾けていたダンサーが予想もしない運命に見舞われ、そこから一気に不気味な展開を見せる。
登場人物は多彩だが、それぞれ巧みに展開の中に織り込まれている。「ジゼル」の公演と、主人公が「ヴィリ」に重ねられていく過程が秀逸である。ここらあたりの上手さ、手際の良さは読んでいて胸がすっきりする。そしてどこか救いのあるラストもまた良き哉。

閑話休題。明日は結集(付き合いのあるお寺)である西国観音霊場札所松尾寺で観音講という大きな行事が行われる。

本日は朝から松尾寺にて明日に向けての準備を行った。

行事の中心は境内で行われる柴灯護摩である。
炉を組み、火を焚いて、行者姿の僧侶が様々な儀式を執り行う。
現在は七十七年ぶりの御開帳中であり例年よりは参拝者が多い見込みである。天候も秋晴れの一日になりそう。

私は宝弓という役柄。
四方、中央、鬼門に矢を射って邪を払うのである。
いろいろな所作があり、しかも結構長い口上を暗記しないといけない。
口上をまだ完全に覚えていないのでこれから覚えねば…