もみじまつりのいろいろ

 

        しんしんと冬の足音もみじ踏む
        いろいろの色珍しき山もみじ

 
 今日も冷え込みが厳しい。朝晩など深く息を吸うと冷たい空気が肺の表面を逆立てるような気がする。11月に当山で行うもみじまつりもいよいよ中盤を迎えた。
 午後から住職は微熱をだしてダウン。妻もかなり疲労困憊のようすである。

 本日は何組か宝物殿の拝観を案内したが、そのうち二人の方から「ブログ読みました」と声を掛けて頂いた。ありがたい限りだが、面と向かって言われると少々動揺する。やはり小心者である(笑)

 紅葉も順調にすすみ今は5分咲きならぬ五分染め。
 赤、黄色、オレンジ、茶色といろんな色が混じっている。遠く、近くの山にも紅葉した木々が色々な点を刷いたように散々として心を引かれる。紅葉の時期では私が一番好きな季節かもしれない。


 最近、頭を悩ませているのが境内にあるトイレの消臭対策。
 この地域はまだ下水道が完備されていないのでできるだけ匂いがしないようにこころがけているのだが、普段それほどでもないトイレの匂いも参拝者が一気に増えると急に強くなる。

 私がこの山寺に帰った頃は猛烈な悪臭がすることもあったのだが、最近はEM剤や竹さく液、市販の消臭剤などを組み合わせて使うことでかなり匂いが軽減した。それでも今時の匂いのしないトイレに慣れている都会の方にはカルチャーショックのようである。効果の高い微生物資材もあるのだが数万円もする。なんとか簡単に、安くトイレを消臭できないかが今後の課題である。

 山寺で生活していると雑用というかいろんなことに頭を使い、頭を巡らせることが多い。いろんな問題が起きた時に自分の工夫や体力や気力が問われることが多いと思う。
 逆に言うといかに都会が管理され、便利になっているかということである。

 都会と田舎というのはどちらにも良さと悪さがある。
 若い頃、都会で暮らす機会がありその両面を知ることができてとてもいい経験をさせてもらったと思っている。

 昨年から住職がしきりに境内で本格的な石焼き芋を焼きたいといいだした。

 なぜか夢見るような眼つきで本格的な石焼いもがどんなに素晴らしいかを語るのである。
 家族は唯でさえ忙しいのにそんなことしている暇はないと一斉に反対していたが、今年になった私はなぜかこの本格的な焼いもというのをやってみたくなった。


 住職は突然いろんなことをやり始めるので、家族は振り回されることが多い。
 突然、重機を借りてきて山を削りはじめたり、シジミを養殖したいといいだしたり…まあ石焼いもくらいで住職が大人しくしてくれるならありがたいという、かなり深謀遠慮に満ちた判断で石焼芋派に転じることにしたのである。

 ネットで調べると「イモヤケール」などというナイスなネーミングの石焼いも焼きの道具が売っていたり、かなり本格的な石焼いもの体験記があったりして楽しい。
         http://www.uside.net/haidora/
         http://utase.blog60.fc2.com/blog-entry-377.html

 私も疲れたときはネットで他愛もないことを調べて息抜きをしている。
 山寺のもみじ祭りはまだまだ先が長いのである。