金剛院境内のご案内 

本日も朝は濃い霧が立ち、日中は気持の良い秋晴れ。
3日も晴天が続くのは稀の稀である。明日はなんとか御天気が小康し、日曜は雨とのこと。

普段は参拝も数組しかないこの山寺に大勢のお客さまが見えるのもあと一週間ほど。それが終わればまた1年間の長い眠りにつく…

HPに載せているメールアドレスをチェックしたら。Sarara様という遠く石川県のご夫婦がわざわざ仕事を休んでお参りに来て下さるというメールを頂いていた。忙しさに紛れてメールチェックが遅れ、何もご挨拶できずに申し訳なかった。

 HPやブログを観て遠方からお寺に来て下さる方が予想以上に多いが、本当に有難いことである。
 そのような方の為に参拝のお勧めのコース、見所、チェックポイントを書かせて頂くことにする。

 金剛院に来られたら、すぐに駐車場に車を止めずに30秒ほど直進すると小さな川を挟んで対岸にある鹿原公園(かわらこうえん)に着く。

 対岸から境内を見渡すともみじを始め紅葉した木々を背景にした三重塔が望める。
 写真を撮るには絶対に外せない場所である。公園のやや上手の小高いところが写真家の方々の指定席である。

 鹿原公園からの眺望が終われば、今度は駐車場へ。11月後半は下段駐車場は予約バス専用なので上段へ。

 駐車場脇では小さな荷台の上で近所のおばさんたちが地元の野菜を販売中。
 これが安くて品物が良いと大評判で、昨年は地元のスーパーがこっそり視察にきたほどである(何故かバレている…)。但し11月後半にはやや品薄になる。

 山門をくぐる前に山門の両脇にある土塀をチェック。
 白壁に5本の線が見られる。これはこのお寺が皇室関係のお寺であることを示すもの。このことは他のお寺に行かれたときも覚えておいて損はないだろう。

 山門には紫の幕が掛かっているが、菊の御紋と並んでもうひとつ不思議なマークがある。
 これは「八雲(やくも)の紋」といって東寺を表す紋章である。
 当山は真言宗東寺派のお寺である。

 朱印の居る方は山門のすぐ右斜め前にある庫裏へ。庫裏の目印は10メートル近い巨大ピラカンサである。例年、樹を埋め尽くすほど赤い実が付くが今年は住職が剪定を失敗してあんまり実が付いていない。
 朱印は阿弥陀如来様、波切不動明王様の2種類。

 朱印が終われば拝観料200円を払って頂き境内へ。
 境内に入ってすぐ左手にカヤの巨木が見える。
 この樹は千年ガヤと呼ばれている。カヤの実は除魔調伏の力があるとされ社寺にはカヤの樹のあることが多いがこのカヤは当山を開いた真如法親王がお手植えになったという伝説があり、恐らく日本でも屈指のカヤの巨木である。

 さらにもみじのトンネルをくぐって進むと左手に古い墓石群が見えるがこれは歴代住職のお墓である。現住職で59代である。

 三重塔の前に着くと周囲は江戸時代以前から植樹されていたと考えられるもみじの古木が群生している。古いもみじは幹が白樺のように白く見えるのが特徴である。

 石段105段を登ると、11月は本堂を公開中なので入堂して参拝。御厨子の前には石造の波切不動明王様が祀られている。この像はお前立ちであるが、近くの滝壺(現在は枯れ滝)の中から発見された。その経緯には不思議な霊験のあるお話がある。

(本尊波切不動明王は2月3日の節分祈願祭の法要の間だけ御開帳)

 石段の脇に近道と表示板のある坂道があるが結構急勾配なので要注意。

 山門を出る前には是非参道と反対側の小さな庭園へ。
 これは細川幽斎作庭と伝えられる庭園でこの時期、庭園の上に紅葉したもみじが降り積もり風情がある。

 庭園の横には重要文化財7体を納めた宝物殿がある。(拝観料500円)
 阿弥陀如来様と脇侍の増長天多聞天は美福門院(鳥羽天皇の皇后)のために作られたもので当時の最高の技術を駆使して作られたもの。また快慶作の執金剛神、深沙大将は小像ながらも威容と迫力を湛えた傑作である。

 最後には是非接待所にてぜんざいか御抹茶を。(各500円)
 おぜんざいは地場産の小豆をお釜で炊いたもの。お餅も自家製で炭火を使って焼く。おぜんざいの甘い香りにお餅の焦げた香りが加わると、まったり、こっくりした甘味ワールドへトリップ。口直しには一緒に供される、自家製のきゅうりの酒糟漬けを。

 先日、メールを頂いたsarara様にはこんな感じでお寺のご紹介をしたかったのだが果たせず残念…。11月後半は何かと忙しく遠方からわざわざお越し頂いてもゆっくりご案内することができない。もしHPやブログを参考に当山に来られる方があればご参考までに。