小豆を煮た夜

【お知らせ】
山寺のHP更新致しました。
宜しければ御笑覧下さいませ

http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/

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いつもコメントを下さる一風斎さんのHP“WEB浮世絵”は浮世絵に古写真を取り合わせたとても素敵なHPですが、毎回、トップページの浮世絵や古写真を楽しみにしています。

【WEB浮世絵】http://www.geocities.jp/web_ukiyoe/

今回のトップページは歌川広重 の「冨士三十六景」より「東都目黒夕日か岡」でした。

よく観ると、何枚ものもみじの落葉が舞っています。風が強いのか、それとも紅葉の末なのでしょうか。見入ることしばし…



当山のもみじも終盤を向かえ、お参りの方も僅かになった。

何人かのお参りの方に「この場所はいい場所ですね」といって頂きました。
一人は地元で気功をやっておられる方、もう一人は古流柔術をされている方です。そしてもうひとりは現在、ご病気の方で、この方は私の知る限りでも5、6回来られて毎回おぜんざいを食べて帰られます。何か心を引かれる場所であるとのこと。

神社仏閣というのはいろんな意味で<良い場所>を選んで建てることが大半だったと思いますが、やはり人の心に訴える何かがあるのだろうと思う。


夕食の後、母が小豆を煮るのを手伝った。
毎年、母がお釜でぜんざいを煮てお参りの方に召し上がっていただくのだが、お釜で煮たぜんざいというのはなんともいえない味わいがある。

毎年のように母親の手伝いをしてこの釜だきのおぜんざいを覚えようと思うのだが、例年忙しくて、夕食が終わると、もう働く気がしなかった。
昨年、結婚して妻が私の仕事を手伝ってくれるようになり、少しだけ余裕ができた。
もみじの時期も数日で終るという時になってようやく母親の手伝いをする気になった。

30分ほど手伝うつもりが2釜のおぜんざい用のあずきを煮るのに2時間以上かかった。
毎年のように、夕食の後、こうした仕事をしていたのかと思うと母親が少しだけかわいそうになった。

かまどにかけられた釜の中で小豆がふつふつと揺れながら煮られているのは何ともいえない光景だった。お釜を薪で焚くというのは火加減が相当難しく、何度も母に怒られた。

吹きこぼれないように焚き口の炎やお釜のふたの動きをじっと見ていると、なぜか昔あったいろんなことが思い出された。

かまどを使って調理しているとガスや電気で調理するのとは全く違う何かを感じた。
尤もそれが何なのかまだ良く分からない。