お大師様のサングラス


            【お知らせ】
           12月12日に山寺のHPを更新致しました。
           宜しければ御笑覧下さいませ
           http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/

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 気温がやや高く少し暖冬の気配である。
 今日は住職夫婦が味噌作りのために収穫した豆をより分けていた。
 乾燥した豆殻は良く燃えるの風呂の焚き物に重宝である。
 焼けた豆殻がはぜる乾いた音はこの時期の風物である。

 この山寺に帰省して4年余りになるがようやく当地での生活にもなれ、少しだけ余裕ができた。

 今、関心があるのは是非、色んなお寺を見聞してこれからのお寺作りの参考にしたいということである。

 以前に霊場会から頂いた「週刊 古寺を巡る49  関西・中部の霊場めぐり」(小学館)という本を見ていたら実にいろんなお寺があることに改めて驚いた。
 古刹の中には既に廃寺になっている所もあり、決してよそ事ではない。

 お寺の名前というとやはり「○○寺」というものが多いが、その次は「○○院」である。他にも「○○坊」「○○庵」「○○堂」などという寺名もある。

 以前ある檀家さんと話していたら「『寺』とつく名前より『院』という名前のお寺のほうが格が上ですね」と自信たっぷりに言うので、その訳を尋ねると「だって戒名は院号のほうが位が上じゃないですか」と言われた(笑)…

 この本の中にはいろんな写真が載っているが一番インパクトのあったのが知多四国八十八ヶ所霊場の大智院にある弘法大師像である。

 このお寺には江戸末期に眼の癒えた参拝者の奉納した眼鏡を掛けた弘法大師像があるのである。

 大師像に掛けられた眼鏡はロウソクの煤煙が付いているらしく、レンズが真っ黒になっているのでどう見てもお大師様がサングラスを掛けておられるとしか見えないのである…
 これは一度見たら忘れられないお姿である。

 お寺の由来や歴史を紐解くと眼病平癒を祈願したお寺が多いことに気付く。
 当時の医療では眼病の治療が難しかったのだろう。医学が今日ほど発達していない往時では神仏にすがる人々の気持ももっと真摯で切実であったに違いない。