謹賀新年

 新春を寿ぎ謹んで御祝詞を申し上げます
 本年もどうぞ拙山に御愛顧下さいますようお願い申し上げます


 
 朝起きると一面の銀世界である。

 真夜中に何度か破裂するような不気味な音を聞いたが、車で兼務している山寺へ向かっていて竹藪が水分の多い雪を纏って折れ曲がっていることに気がついた。破裂音だと思ったのは竹の折れる音だったらしい。

 兼務している山寺では元日に互礼会が行われる。
 本堂でお勤めの後、庫裏で庶務や会計の報告をする。


 兼務している山寺は標高が高く既に30cm余りの積雪である。予想外の積雪にしばし絶句…

 
 御礼会の前に早速境内の雪かきである…

 御礼会のお接待も昔はおせち料理とお酒だったが、時節柄、お酒は廃止になり近年は母の手作りのおぜんざいである。

 午後1時を回ってから山寺に帰ると昼食を食べていないことに気が付いた。
 近所のお寺ではお接待におでんが出ることを想い出して、年始に伺う。

 このお寺の御住職は料理人としての修行をされていた方である。
 庫裏の座敷は昔風の囲炉裏が切ってあり、釜の掛かった囲炉裏の前で食べる住職お手製のおでんの美味しさは絶品。元旦早々の口福である。その美味しさと言ったら…

 結局、三杯もおでんを頂き、奥様が呆れ顔で「少し持って帰られますか?」というお言葉に思い切り甘えさせて頂きタッパーに詰めていただいた。元旦早々少々いじましい…


 夜はナイツの漫才をYOUTUBEで観て初笑いを済ませ、元日の夜も無事の更けるかと思いきや、夜9時頃に裏山からとてつもない大きな声で


              「ぶぅひぃぃぃぃぃぃぃぃ」


と猪のただならぬ声が響き渡り、飼い犬達がパニック状態で鳴き始めた。一体何が起こったのか…確認したいが怖くて見にいけない。
今年も山寺の生活は波乱万丈のようである…