定額給付金がみみっちく見える話

【のんびりしてられない日記】
昨晩、どさっ…どさっ…と溜まった雪の落ちる音が庫裏の中まで聞こえてきて、これは積もるなと思っていたが…朝起きれば一面の雪である。50センチは積もっただろうか。


もっと山奥にある兼務しているお寺では80センチ〜1メートルは積もったに違いない。水分の多い、重い雪で朝起きて雪かきをしていると、木の枝が折れたり、枝に裂け目の入る音が頻繁に聞こえる。

午前中は大切な法事があり、山門まで車が通れるように入念に雪かきをしたところに調度、市の除雪車がやってきた。一安心と思っていざ出かけようとしたら山門の真ん前で一台の車が立ち往生しているではないか!乗っているのは初老のご夫婦。雪にタイヤを取られて身動きできない状態である。

 車は道路を完全に塞いでいて、このままでは法事に遅れる…あわてて庫裏に戻ってスコップを取って引き返すと、僧衣姿で車の周りの雪を除けて、なんとか車は動き出した。やれやれ…


 住職夫婦は昨日から妹夫婦と旅行中である。
 一昨年も、同じように妹夫婦と岐阜方面へ旅行に出かけたが、出発して5時間経ってから檀家さんのお葬式が入り、途中から新幹線で引き返してきた。

 お葬式というのは全てのことに優先するので、お坊さん同士で旅行に出かけたり、霊場会の総会に行くと必ず、急な欠席や早退するメンバーが出る。仕事とはいえなかなか変である。



 2日前に国会議員には毎月「文書通信交通滞在費」という手当てが支給されると書いたらishidaさんという方から本格的なコメントを頂いた。有難いことである。

 一般の公務員の貰う「給与」に対して、裁判官は「報酬」、検察官は「俸給ほうきゅう」と呼ばれるそうである。職務によって呼称が違うのが面白い。

 そして国会議員の給与は「歳費」と呼ばれるそうである。「歳費」という呼び方をするのは国会議員だけである。

 歳費の月額は130万円だが、それに対して「文書通信交通滞在費」という名目の手当てが100万円。これは非課税で使途の報告も、領収書もいらない!という。

 実はさらに一人あたり毎月65万円の「立法事務費」という経費が割り当てられるのである。一人当たり毎月65万円…すごい金額である。ただこの「立法事務費」は個人ではなく会派にたいして所属する議員に応じた金額が支払われる。(「会派」と「政党」の区別については省略する)

 この「立法事務費」というお金は「文書通信交通滞在費」とは違って個人では自由には使うことはできないが、これまた使途の報告する義務も領収書も必要ないというのである…

 個人で自由に使えなくても当然、会派のエライ先生ならかなり自由に動かせるはず。

 先日紹介した阿部力也氏の「呆れる国会議員」(河出書房新社)には与党の国会対策委員長が野党の議員を呼んで麻雀する話で出てくる。つまり豊富な「立法事務費」を使って、わざと野党議員に負け続け、法案を通過させやすくしたのだという…

 これだけでもすごい話だが、何しろこの「立法事務費」も使途の報告が必要の無いお金だから本当のところどのように使われているかは全くの不明なのである。

 歳費+文書通信交通滞在費+立法事務費…単純に足すと約300万円である。
 これだけ巨額のお金が毎月、全議員に支払われている…にもかかわらず未だに1万円ほどの定額給付金を受け取るか否かを政争の道具にしてるなんて実にみみっちい話ではないだろうか。