危ない温泉の話
【のんびりしてられない日記】
昨晩は30センチ近く積もったので、今日も午前中は雪かきである。
昨晩、お風呂に入ったら薪が消えていて、すごくぬるかった…とゆうかかなり寒かった。やはりこの時期は薪で焚いたお風呂に入って体の芯まで暖めたい。
住職はとてもお風呂が好きなので、いずれ良い温泉に連れて行きたい…と前から思っていた。
たまたま中古書店「復活書房」に行ったら野口悦男さんという方の書いた温泉の本を100円で売っていたので試しに買ってみた。こういう時に中古書店は有難い。
著者は40年かけて3000箇所の温泉に入ったというからスゴイ。
年間200日を温泉宿で過ごすという…よくお金が続くなと感心。
本書をパラ読みしてちょっとびっくりしたのは日本の温泉には<温泉もどき>が多いということである。
湧出した温泉をかけ流しにしたものが温泉だと思っていたら、規模を拡大するために、温泉源から引いたお湯をお湯で割って薄めた温泉や、お湯を循環させている温泉がとても多いとの。
なんか嫌な話である。しかも温泉協会という法人があってこうした<温泉もどき>にどんどん「天然温泉」というお墨付きを与えているらしい。昨年は<偽装>というのが大きく報道されたが、温泉もまた同様に<偽装>の横行する世界であるらしい。
お湯割りの温泉というのはもともとの効能が期待できないし、循環式の温泉というのは一歩間違うとレジオネラ菌などが繁殖してしまう。全国の温泉の6割でアメーバ(単細胞の原生生物)が検出されていて、このアメーバはレジオネラ菌の温床になるものであるという。すでにこのレジオネラ菌による死者でているとのこと。
なんか日本というはおかしくなっている気がする…
日本がおかしくなっている根っこにあるのは<嘘をついてはいけない>というモラルの崩壊ではないかという気がする。多分、それは日本人の宗教観の変化とも関わってくる問題である。
本書には著者が実際に入浴した全国の温泉100箇所が取り上げられている。
私の住む山寺から簡単に行ける温泉が無かったのはちょっと残念だが、それでも行ってみたいと思わせるような温泉が幾つもあった。いつかそんな素敵な温泉に住職を連れて行きたいと思っている。
【参考文献】
「とっておきの温泉 危ない温泉」野口悦男(光文社 知恵の森文庫)
※ 念のためネットで調べたら著者は昨年末に亡くなっていた。合掌