精進の松花堂弁当
【お坊様のレストラン】
本日は地元の仏教会の新年度の総会の日である。
最近は私が総会に出ることが多い。久しぶりに住職も一緒に出席したら、若いお坊さんが多かったので感慨深げだった。
順調に議事の進んだ後は精進の松花堂弁当を頂きながら歓談。
このお店の精進料理を頂くのは2回目だが、どれも薄味、淡味ながら深い味わいがある。
京丹後市にあるお寺の精進料理なので、気軽に行けるほど近くはないが機会があれば是非、行ってみたいお店である。
お店の名前は「崙山」である。
臨済宗の古刹のお寺の副住職がお寺の中で精進料理を出しておられる。
副住職は天龍寺で典座(「てんぞ」修行僧の食事を作る係り)を勤められた後、京都の精進料理の老舗「八尾冶」で修業されたとのこと。
【崙山】 http://www.sanyoji.org/ronzan/index.html
禅宗のお坊さんによれば、NHKの大河ドラマ「天地人」を見ていたら禅宗のお坊さん役の俳優が袈裟を裏向きに掛けていたとのこと(笑)
NHKも時代考証はきちんと行っているはずだが、お坊さんの習俗というのは宗派や時代によっても違うので本職から見ればツッコミ所満載なのである。
真言宗では冬場に襟帽子という白い布を首に纏うのが正式なスタイルだが、以前、ある法要で天台宗のお坊さんと一緒になったら、襟帽子のつけ方が上下逆だったので驚いたことがある。天台宗ではそれが正式なスタイルのようであった。お坊さんですら他宗のことになると皆目分からないことが多いのだから、NHKが間違えるのも仕方がないとも言える。
帽子というくらいだからもともとは防寒用に頭に被っていたものらしい。
武蔵坊弁慶が被っているのもおそらく同じものだろう。現在は頭に被らず、マフラーのように首に巻く。
お弁当の中で一番美味しかったのはフキノトウの入った白和えだった。
ねっとりした豆腐の淡い味の中にほろにがいフキノトウが合わせられていた。白い雪の中から顔を出すフキノトウという風情だろうか。春にはまだまだ遠いが春の暖かさが心に浮かぶような一品だった。