寂しい町の風景

 


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真言宗の寺院では節分に様々な行事を行うことが多い。

 私達の山寺にとっても2月3日の節分というのは大きな行事である。本堂で護摩を焚き、数珠繰りを行った後、庫裏で参拝の方にお接待をする。

 昨日、その節分が無事終了して今日は一息ついたところである。
 節分では祈願した御札をお渡しするのだが、今日は当日来られなかった方のお宅へ車で御札を届けた。


 私の卒業した中学校の横を通ると、学生服姿の生徒がバレーボールをしていた。その姿が眼に入った途端、急に中学生の頃のことをいろいろ想い出した…

 最近はサッカーが人気だが、当時人気のあったスポーツはバスケットとテニスである。
 男女ともこのどちらかのクラブに入っているとモテる傾向にあった。

 私はと言えば卓球部で図書委員である(笑)家がお寺なので「住職」などというあだ名を付けられたりしてモテない系まっしぐらであった。ちょうど「機動戦士ガンダム」の放映が開始され、ガンダムの放映される日はクラブを休んだ…等等どーでもいいことが頭の中にとりとめも無く浮かんできた。イジメといわれるものもそれほど深刻ではなかったが、校内暴力のハシリのような出来事が幾つかあった。私も中学生の頃は様々な悩みも不安もあったが、田舎の中学生というのはどこかのんびりしたところがあったように思う。


 お札を配りに市内を車で走っていると、当時の通学路を通った。

 中学生の頃、みんなが立ち寄った文房具店、どら焼き屋、スーパー、本屋…といったお店が殆ど残っていない。のっぺりとした住宅の群に変わっていった。
 市外を車で走ると子供の頃、もっと活気があったはずの町が随分とさびれていることに愕然とすることがある。この寂しさというのはなんだろうか…

地方経済の地盤が傾きつつあることが直接の原因と言ってしまえばそれまでだが地方の町がもっと元気になる方法はないのだろうか。これでは若い人がどんどん都会に出て行ってしまうのも無理はない。都会に行って始めて故郷の良さが分かるのも事実だが、何ともいえない閉塞した空気が町をおおっている。

もっと町に元気を…そんなことを時々考える。