の話

 今日、境内で犬を散歩させていると水仙の咲いているのを見かけた。
 小さな淡いクリーム色に花が風に揺れていた。
 今日は全国で春一番が吹いた。例年よりかなり早いそうである。


 最近、CMで「未病」という言葉を使っているのを見かけたが、病気になってからではなく、身体が病気になりかけているときに治してしまおうという東洋医学の考えは優れた発想だろう。

 では未病の前の段階は何かというと慢性的な疲労ではないかと思う。

 <慢性的な疲労→未病→病>

 厳密にはこんな単純なものではないのだが、話の都合で単純化させて頂くことにする…

 そして疲労というのは溜まる場所があるらしいのである。
 そのひとつは背筋ではないかという気がするのである。

 私は疲れてくるととにかく背筋が全体的に硬くなるのが感じられる。
 ここで気功とかストレッチをやって少しでもほぐせばいいのだが、なぜ疲れるかといえば忙しいからであってゆっくりストレッチや気功をやってる余裕がないのである。

 今日もいろいろやらなければならないことがあって気が付くとどーんと疲れが溜まっていた。ちょうど妻の手が空いたので久しぶりに背筋をほぐしてもらったら、みるみる元気が出てきた。
溜まっていた疲労が抜け、身体に元気が戻ってくる感覚というのはとても心地よいものである。
 改めて背筋のケアの大切さを痛感した。

 経穴(ツボ)の分布図を見ると、背骨の両側に沿って大切なツボが一列に並んでいる。
 背筋をやわらかくするというのは当然、これらのツボを刺激することになる。

 疲労の原因は老廃物が溜まることである。老廃物の処理に関わるのは腎臓と膀胱だが、東洋医学では腎臓と膀胱は表裏の関係にあり、しかも膀胱の経絡は正に背骨の脇に沿って走っているのである。
 背筋をしなやかにすることは老廃物の処理=疲労の回復には絶対必要な訳である。
 
 背中をやわらかくすると仕事の効率も上がるし、一石何鳥にもなる。背筋に溜まった疲れを取ることがとても大切である…ということを心がけ、そのケアを怠らないことが難しくても、やっぱり必要なことなのだろう。

 あなたの背筋に疲れは溜まっていませんか?

【参考】
山口令子「日本一の健康法」(史輝出版・絶版)
アイズワイズ気功教室 気の世界 http://www.kinosekai.jp/