腰回しダイエットの秘密?

 ずーっとお坊さんになる気はないと言っていたのがいつの間にか、この仕事に就いている。
 方向転換のきっかけはやはり広い意味で人間の心や身体に関心が生まれたからではないかと思う。

 ところが人間の身体について考えようとするときに人体の構造や生理の基本が分からないと話にならない。

 随分前に買った本だが、とても重宝している本がある。ここぞというときに引っぱり出して眺めている。

 「アトラス解剖学  人体の構造と機能」(西村書店)という医学生向けの解説書である。価格は4800円で高いといえば高いが類書の中ではかなり安かったと思う。

 顕微鏡写真、X線写真、CTやMRIの写真、イラスト、模式図が実に上手く配置され、人体の構造や仕組みの基本がとてもよく分かるのである。原著者はドイツの方なのだが微にいり細にいりの徹底ぶりがさすがドイツ!という感じである。

 圧倒的なのは人体を解剖的に示している写真の数々である。

 人体標本(本物の人体!)を縦横に切り開き、骨格、臓器、血管、筋肉などが手に取るようにわかるようになっているのである。いわば眼の前で人体を解剖して示してくれているようなものである。ブラック・ジャックになった気分を味わえる。
(もっとも神経の細い人が見ると夢でうなされるかもしれない…)

 閑話休題。昨日の<背筋疲労>の続きである。

 疲労が抜けない身体というのは下水処理システムに下水を送り込むパイプが詰まっているか、下水処理システムそのものが上手く機能していないと書いた…静脈が下水道なら動脈は上水道だろうか。

 気功家の山口令子先生が指摘する<背筋の疲労>には大きく2つポイントがある。
『肩甲骨の間』と『仙骨の後ろ』の2箇所付近に大きな滞りができやすいというのである。※

 動脈と静脈は全身に分布しているが体幹を上下に主要な静脈と動脈が通っている。
上下水道の主導管というところだろうか。ところが最も滞りやすいという2つのポイントは正に主導管の上下を塞いでしまっていることになるというのだ

 身体の上下水道の一番太い管の出口と入り口が詰まっている…こんな状態が身体にいいわけがないが、正に日本人の多くがこの症状を抱えていると考えられる。
(当然マッサージしてもらうなら肩甲骨の間と仙骨の後ろあたりと丁寧にしてもらうといいだろう。)


 最近テレビによく出てくる女性でものすごーくウェストが細くて腰回しダイエットというのをを教えているSHINOさんという方がいるが、腰を回せば、仙骨近辺の滞りは間違いなく改善するわけだから美容にもダイエットにも有効であることは間違いない。

 ところが試しに自分でも腰回しというのをやってみて面白いことに気が付いた。
 腰を回すとなるほど腰周りが軽くなる。それだけではない。私は比較的身体が柔らかいせいか、腰を回すと、肩や肩甲骨の筋肉まで腰の動きに連動してほぐれてくるのである。

 身体の背面の筋肉というのは複雑につながっているから、腰を回すとそれに連れて、背筋全体がほぐれるという訳である。腰回しダイエットというのは骨盤のゆがみを矯正するというのがうたい文句だが、実は背筋疲労の解消ともつながっていたのではないか…というのが私の推測である。


※【参考】

山口令子「日本一の健康法」(史輝出版・絶版)

アイズワイズ気功教室 気の世界 http://www.kinosekai.jp/