「大使閣下の料理人」

 本日は暦の上では『雨水』にあたる
 天気予報では寒さは本日が底で明日から暖かくなるとのこと。
 午前中、境内に出ると立ち木に積もった雪が溶けて落ちる音が絶え間なく聞こえた。
 雨の音とも違うその音を都会の友人に聞かせたいと思った。

 中川外相が辞任した。
 それにしても「G7」を「G20」とか言ったりしたのはスゴイ笑えましたね…


 大方の報道では「酒に酩酊」という烙印を押されてしまったが、この人はもともとかなりの腰痛持ちで相当強い鎮痛剤を使用しているとのこと。体調が悪かったり、酒や風邪薬を併用すると鎮痛剤との相乗効果でかなりひどい状態になるらしい。それを割り引いても辞任は当然か…


 老夫婦と、山寺で暮らしていると、生活がどんどん地味になってくる。
 時々は外食して気分を変えたいが、弱点はちゃんとしたエスニック料理のお店が無いことである。

 パスタやピザなどはいろんなお店があるが、本格的なエスニック料理を食べられる店が無い。そんな豪華なものを食べたいとは思わないが、香菜の載ったお粥とか、ココナツミルクの入ったカレーが無性に食べたくなることがある。

 私はカレーとナンが大好物で、当地では食べられないと諦めていたら、隣町の駅前にインド・パキスタン料理の「カラチ」というお店を見つけた。とても美味しいお店で時々野菜カレーとナンを食べに行く。ちょっとした幸せである。美味しいものは人を幸せにしてくれる。


 ブックオフで「大使閣下の料理人」パラ読みしたら意外に面白かったので三冊購入。315円也。
大使閣下の料理人 (25) (モーニングKC (1525))

 料理と一緒で漫画も喰わず嫌いは損だと反省。作者西村ミツル氏は実際に大使館付の料理人だったそうである。主人公が大使館付きの料理人なので料理だけでなく外交、政治といった話題が上手く取り入れられている。

 料理とかグルメの漫画というとやたらと料理で勝負したりとか、凄い料理人が出てきたりするが、この「大使閣下の料理人」はストーリーも絵柄も穏やかで、いい意味で落ち着いていて、安心して読める。

 料理には食材や食べる相手への思いがとても大切だということが繰り返し強調されていて、知識を受け売りするようなグルメ漫画とは一線を画した印象を受ける。やはり大人の漫画である。


 4巻にパパイヤのサラダをめぐる話が出てきた。

 昔、高田馬場のタイ料理屋で食べたパパイヤのサラダがとても美味しかったのを思い出した。そのうち一緒にタイ料理を食べた相手のことや、相手と交わした会話、高田馬場のごちゃごちゃした、それでいて元気のある雑踏…いろんなことをどんどん思い出した。もう随分前のことなのにそんな細かいことを思い出したことがちょっと不思議だった。
 食べ物にまつわるの記憶というのはとても大切なものなだろう。もっとも私が食いしん坊なだけなのかもしれないが…

 「大使閣下の料理人」はベトナム大使館が主な舞台になっていて東南アジア各地の料理が沢山登場する。エスニック料理を食べたくなったらこの漫画を読んで我慢するとしよう。