「下目使い」の話

本日は珍しく好天。
法事に出かけると、遠くの山並みの緑に雲の影が黒く差しているのが見えた。いよいよ春の風情である。

先日、あるお坊さんの会議に出かけたら、若いお坊さんが何人か見えていていろいろお話を聞く機会があった。

ある方はお寺の周辺が柿の名産地で毎年どっさり柿を貰うのだが、この方は柿が食べられないので大変とのこと。
またある方は檀家総代さんが大きな和菓子屋さんでいつもどっさりお饅頭を持ってきてくださるのだが、この方は全く和菓子が食べられない…
パソコンの大好きなお坊さんが僻地の山寺に赴任したら、インターネットが電話回線しか使えない地域だったりとか、それぞれいろんな苦労がある。


 昨日の夜、とても眼の調子が良くてパソコンの作業がどんどんはかどった。
 調子に乗ってアニメのDVDを2時間くらい観てしまった。

 現在、或る呼吸法のトレーニングに取り組んでいて。昨日はキッチンで遠くの山並みを見ながら行っていた。
 ふと山の頂あたりを見ようとしてとても見にくいことに気がついた。
 いろいろ試してみて、顎を少し上げて見下ろすような感じで遠くを見るのは問題がないのだが、顎を引いていわゆる上目使いで遠くを見るととても見にくいのである。
 何となく気になったので、できるだけ上目使いに遠くを見るということをしばらくやっていた。

 夜になってから気が付いたのだが、普段、パソコンや携帯の画面などは大抵、斜め下にある。
 斜め上に視線を向けることがとても少ないことに気が付いた。

「上目使い」の反対は「下目使い」だろうか。あんまり聞いたことがない。「伏目」という言葉もあるが少しニュアンスが違う。

 パソコンや携帯の圧倒的な普及で斜め下にある画面を凝視することが多くなり、逆に視線を斜め上に向けることは殆ど無い気がする。私達は延延と「下目使い」をやり続けていることになる。
 昼間、斜め上の風景を見ていたことで、普段使われていない眼の周りの筋肉が刺激されたというのが調子の良かった理由のようである。


 以前、気功家の山口令子先生※に眼のストレッチというのをならってとても効果があった。
この眼のストレッチも眼の周りの使っていない筋肉を活性化するという効果があることは間違いないように思う。簡単だがとてもシステマティクに構成されている。ぼんやり遠くの山を見ているのとは比べ物にならない。最近さぼってあんまりやっていないが(笑)眼が元気だと仕事も遊びもどんどんはかどるのを体験できたのでまたやってみようかと考えている。

 眼を酷使している日本人はとても多いと思うが、眼の筋肉いっても全部ではなくごく一部を酷使し続けているのかもしれない。

 ※http://www.kinosekai.jp/