君が代に2番目の歌詞があった話

 NHKラジオ「お好み演芸会」に近藤志げるさんというアコーディオン漫談の方が出演しておられて、思わず聞き惚れてしまった。

 哀愁のあるアコーディオンの音色を伴奏に野口有情などの古い童謡にまつわるエピソードをしみじみと語るスタイルでなんともいえない味わいのある芸人さんである。

 この方がある時、昭和31年生まれの集いという場でアコーディオン漫談を依頼されたそうである。
 近藤志げる氏は一万曲以上の歌曲の歌詞を諳(そら)んじていて「どんな曲でも歌えますよ」と言ったところ、出席いてかなり酩酊した人物から「君が代の2番」というリクエストを受けたそうである。

 ご存知のように君が代は一番しか流布していない。近藤氏は冗談だと思っていたら、後日、近藤氏の自宅に酩酊していた出席者から番の歌詞が郵送されてきたそうである。
 しかも差出人の名は「海部俊樹」となってそうである…

 ネットでしらべたら明治14年発行の「小学唱歌集初編」に掲載された君が代の歌詞は2番まであったとのこと。君が代の歌詞は優美かつ荘重であり、幽玄の趣があって素晴らしいと思うが2番の歌詞があったというのは少し驚きである。




 1 君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで
   うごきなく常盤かきはにかぎりもあらじ
 
 2 君が代千尋の底のさざれ石の鵜のゐる磯とあらはるゝまで
   かぎりなき御世の栄をほぎたてまつる

 

 【近藤志しげる氏表彰のニュース】http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/090218/tnr0902180808001-n1.htm
 【君が代2番の歌詞の意味について】   http://plus.hangame.co.jp/browse/db_detail.php?dir_id=6&docid=2688