山寺の春
昨日は霊場会の総会が大阪のホテルで行われた。
奈良のご住職に「奈良は暖かくなりましたか?」と尋ねたら「お水取りまでは寒いですね」とのお答えを頂いた。「お水取りまでは」というのがいかにも奈良にふさわしくてちょっと嬉しくなった。
今朝、洗面所で顔洗おうとしたら「…ケキョ…ケキョ、ケキョ」と今年初めてのウグイスの声が聞こえた。
境内の地面には淡い青色のスミレがツメの先ほどの花を沢山咲かせるようになった。
春の景色がだんだん濃くなってくる。
今日は神戸の叔母から《いかなごのくぎ煮》が届いた。体長1、2センチほどの稚魚を佃煮にしたもので、叔母の特製品である。
叔母からこの品が届くのもこの季節の風物である。早速晩のおかずに頂いた。繊細な歯ざわりと深い味わいで極めて美味なり。
3月は植え替えの季節。
今年は境内に百日紅(サルスベリ)と野村紅葉を植えようと思って20本づつ苗を買った。
買いすぎだと早速住職に文句を言われたが、住職も同じ業者から蝋梅(ロウバイ)を20株買っていた。
境内は痩せていて少し掘ると石灰岩の塊がごろごろ出てくる。どちらも丈夫な花木なのでせめて半分は根付いて欲しいと思っている。
…最後に少しだけ宣伝。
日本語学の気鋭の研究者である石黒圭氏が新刊を出版された。
私はまだ読んでませんが(笑)かなり評判の良い本のようです。
- 作者: 石黒圭
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/09/17
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研究室で言葉を肴にあれこれ議論を交わしたことが思い出される。
日本語学を専攻していたというと全然イメージが湧かないとよく言われる。
例えば「逮捕された小沢代表の秘書」と言う表現について「『逮捕された小沢代表』の秘書」なのか「逮捕された『小沢代表の秘書』」なのか、これは全体の文脈で決まることになる…こんなことを延々と議論したりする訳である。
私は才能が無いことに気づいて研究者の道は早々に諦めたが、石黒氏は着実に業績を上げておられ祝着至極である。今後も活躍をお祈りしたい。