無財の七施  一言に功徳あり

      【お知らせ】

    昨日、HPを少々更新致しました。
    ご笑覧下されば幸いです

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 昨日、嬉しかったことがある。

 霊場会の会合があって丹波のお寺に行ったのだが、山門を通って庫裏に向かい、庫裏の手前にある寺務所に入ると誰も居られなかったので、来客用のチャイムを押すと、奥から「はーい!」と奥様の元気な一言があった。

 足早に寺務所に来られた奥様が座敷に案内して下さり、お茶を出して下さったのだが、最初の「はーい」という返事を聞いて心の中でうーんと唸った。

 たった一言の短い返事なのだがその声の中に「ようこそお参り下さいました」「おまたせしてすいません」そういった暖かな雰囲気がはっきり伝わってきたのだ。

 このお寺のご住職は日頃から参拝者を心を込めてもてなすことを説かれているのだが、奥様が正にその実践を示してくださった訳である。良い勉強をさせて頂いた。


 自坊(自分のお寺)に帰って妻にそのことを話すと、「分かる分かる」と嬉しそうに言ってくれた。普段、お寺の受付をしてくれることが多いので実感するものがあったのだろう。分かってくれた妻にも感謝である。

 仏教には「無財の七施」という言葉がある。

    眼 施(思いやりの眼差しを与える)
    和顔施(相手に和やかな表情で接する)
    愛語施(思いやり、愛情のある言葉をかける)
    身 施(自分の身体を使って相手に奉仕する)
    心 施(相手への心使い)
    牀座施(座席を与えたり、譲ったりする)
    房舎施(雨露をしのがせる、宿を貸す)


 お金ではなく自分の身体や心を使った7つの<布施>の心を説いたものである。

 お金が無くても人を幸せにすることができる。そして人に与えた幸せはまた巡り巡って自分に帰ってくる。

 心して「無財の七施」を実践したいものである。