Heal The World 


“You may say I am a dreamer, but I am not the only one.” (‘IMAGINE’ )


 本日は午前中に法事が一件。

人家が10戸にも足りない小さな村にある檀家さんの家での法事だった。
法事から帰る途中、何キロも田園の中を車で走る。初夏といっていい暑さと日差しだが、稲の緑がとても綺麗に見えた。一面の田園があって、野の花が咲いていて、風が吹いていて…そんな田舎の光景がとても貴重に思えた。

ラジオからジョン・レノンの「イマジン」が流れて来た。
この曲の優しげな感じと一面の田園の風景が溶け合うように感じられ、とても心地よい時間が流れた。


マイケル・ジャクソンが亡くなった。
マイケル・ジャクソンの歌でまず想いだすのは「Heal The World 」という曲である。

理由は分からないが、この曲を聴いているとマイケルジャクソンの悲しみのようなものが伝わってきて、何か胸に迫るものを感じる。とても綺麗な歌だと思うのだが、なぜそのように感じるかは分からない。

Youtubeにこの曲を歌うマイケルジャクソンの映像がアップされている。
群集の前で歌うマイケル・ジャクソンは孤独に見える。観衆に支持されているというより、周囲から孤立し、屹立し、居場所を無くして漂う幽鬼のようにも見える。

マイケル・ジャクソンは歌手として世界中の誰もが羨む成功を収めた。
だが彼は本当に幸せだったのだろうかと思うことがある。

望みうる全ての物を手にしたはずなのに、どうしてあれほど寂しげに見えるのか不思議に感じることがある。何を望み、何を夢見ていたのか…その願いは叶えられたのだろうか。

ジョン・レノンも非業の死を遂げたスターである。
幸福と不幸は実はバランスととっているのではないかと思うことがある。
大きな幸せには大きな不幸が、大きな不幸には大きな幸せがコインの裏と表のように背中合わせになっているように感じることがある。

マイケル・ジャクソンの歌を聴いているととても繊細で傷つきやすい心を感じることがある。そんな彼が世界中の好奇心や羨望や嫉妬にさらされて、どれほど傷ついただろうかと考えると居たたまれなくなることがある。人はスターを羨むがスターとは孤独な存在であると思う。

マイケル・ジャクソンの冥福を祈りたい。