お坊さん奮戦中

月刊寺門興隆 2007年9月号―住職の月刊誌

月刊寺門興隆 2007年9月号―住職の月刊誌

 【今月の寺門興隆

 お坊さん専門誌「寺門興隆」(興山社)が届いた。

 <法律相談>のコーナーには

 飲酒運転で捕まった檀家が「法事のお斎で住職にすすめられた」と供述した

 なんていう相談が載っている…「お斎」というのは仏事後の飲食のこと。昔はお酒がでることが普通だったが最近は取り締まりが厳しいのでお酒を出さないことも多いのだが…

 檀家なら菩提寺をかばって下さい…


 映画「おくりびと」で一躍脚光を浴びたのが納棺師という仕事である。
 映画で納棺の指導をしたのは札幌納棺協会という葬祭会社である。
 「協会」という名称だが株式会社なのである。ここらへんがどうも腑に落ちない。

 この札幌納棺協会が仏壇、仏具などの遺品を有償で引き取ってごみ焼却場で処分していたとして廃棄物処理法違反の容疑で書類送検されたという。
 「おくりびと」自体は良い映画だったがこの納棺協会なる会社にはいろいろイワクがありそうである…


 スケールの大きな話題も載っている。

 手元にある高崎直道氏の「仏教入門」(東京大学出版会)は良書の誉れ高いが、その中に「インドの仏教徒の数は三百八十万人」なる記述がある。ところが現在、インドの仏教徒の数は一億人にも届こうとしているという。
インドの人口の15%はカースト以下と蔑視される不可触民である。主にこうした不可触民をヒンズーから仏教に改宗させることに尽力している日本人僧がいるというのである。

 この方は佐々井秀嶺(73歳)という方で、これまでに300万人を仏教徒に改宗させたというのである。なかなかスケールの大きな話ではないだろうか。真言宗豊山派の僧侶として仏門に入られた方だという。
 久しぶりにいい話だな…と気持ちが明るくなった。



 それからもうひとつ取り上げたいのは精進料理の話題。

 永平寺の典座(「てんぞ」食事を司る役職)として修行を積まれた曹洞宗の高梨尚之僧正が精進料理を通じて、食の乱れを正し、精進料理を広めようとされているとのこと。これまた大変素晴らしい活動と感じ入りました。

 【典座ネット】http://www.tenzo.net/index.htm


 全国にはいろんなお坊さんが活躍されているし、海外で活動されている方もおられるというのは田舎の山寺で暮らす私にはとても良い刺激である。