ジャムおじさんの涙

 

昔々、中森明菜が「少女A」を歌っていた頃、五月みどりが歌っていたのが

「熟女B」

芸能界はキワものの世界である…

なぜ、「熟女B」の話かというと、ジャム作りがそもそもの始まりである。

今年、最後に収穫した梅をダンボールの何箱かガレージにしまっておいてすっかり忘れていたのである。
気がつくと、収穫した時には青かった梅はオレンジ色に変わっていた。一部は腐り始めている…

完熟(過熟?)した梅を見ているうちに五月みどりの「熟女B」を思い出したのである。

今年は妻が梅ジャムを作ってあちこちへ配り、これがかなり好評のようである。
試食させてもらうと確かに美味しい。梅の味が濃厚で、甘さも控えめ。かなりの出来ばえである。

自分も是非、おいしいジャムを配って「ジャムおじさん」と呼ばれたいという野望がふつふつと沸いた。完熟した梅の中から綺麗なものを選りすぐりジャムを作り始めたのだが忙しくてゆっくりジャムを作っている暇がない、本当なら一日で作れるはずのジャムを何日かかけて作ったのである

できたジャムはブラッディオレンジのような濃厚な色。外見はとても美味しそうである、ところが一口食べてみると

舌がジンジンする…(泣)

 しかもそのジンジンがいつまでも消えないのである。お寺の大きな鐘をつくといつもでも余韻の続くのがあるがそんな感じである。一口食べると…じんじんじんじんじんじん…

 とても人に配れる代物ではない。
 どこかで失敗したらしい。普段カレーを作っている大なべに一杯。約4キロのジャムが無駄になったのである。この失敗したジャムをどうしようか、思案しているところである。