いちばん大切なこと


昨日、兼務している山寺のお手伝いをして下さっているYさんと寺務所で暫くお話をしていた。

Yさんは心優しくてまことに好人物。私の大好きな方である。
Y氏がニコニコしながら
「副住職、昨日はインターでお参りがありました。良かったですね」
と言われるのである。
こちらも思わず釣られてニコニコしながら「…良かったです」と相槌を打つが、内心では

『インターでお参り』って…何だろう?インターチェンジを経由したということか??

それから暫く会話を続けて、「インターでお参り」とは私がインターネットに書いている文章を見てお参りに来てくださったという意味であることが判明。

インターネットの「インター」ではなく「ネット」のほうを省略された訳である(笑)これはちょっと分かりにくい…

名古屋から来られて、成相寺を経て、わざわざ山里のお寺まで来て下さったそうである。有難いなあと思った。


最近、出先でパラ読みしたのが「日本でいちばん大切にしたい会社」※という本である。

日本でいちばん大切にしたい会社

日本でいちばん大切にしたい会社


 本書では5つの会社が取り上げられている。
 例えばどこにでもある商店街の果物屋さん「杉山フルーツ」がいかに全国に顧客を獲得したかといった事例を読むとなんだか元気が湧いてくる。

 私の住んでいる地域は過疎化や高齢化が進んでいるし、檀家さんの従事している農業も不振といっていい。そもそも檀家さんの数自体が少ない…これからいかにしてお寺を守っていくかということを真剣に考えざるを得ないのである。


 <金持ちになれる>ということを謳った本を読むとそこに書かれているのは結局のところ自分がいかに満足するかであり、その満足とはいかにお金を稼ぐかということに集約される。
 なんか違う気がするのである…一方、お寺というのは企業ではないが、やはり経済的な基盤を築くことも大切である。ここらへんをいかに両立させるかが課題だなあと思わざるを得ない。

 檀家さんや信者さん、或いはお参りの方にいかに満足してもらえるか、或いは自分がいかに納得できるか…これはなかなか難しい。この本を読んで改めてそのことを痛感した。
 供養するということを考えると満足してもらう対象はご先祖様にまで及ぶのである。
 ご先祖様にどうしたら満足して貰えるか?そんなことを時々考えるのである。


※【Amazon.co.jpの商品紹介より引用】

本書の第1部で、著者は「会社経営とは『5人に対する使命と責任』を果たすための活動」であるとして、経営の目的を以下の5つに定めています。
1 社員とその家族を幸せにする
2 外注先・下請企業の社員を幸せにする
3 顧客を幸せにする
4 地域社会を幸せに、活性化させる
5 株主を幸せにする

多くの経営書では、会社は株主のものである、と書いています。
また、「会社は誰のものか」という議論では「株主のもの」という考えが支配的で、
経営の目的も「顧客満足」とか「株主価値の最大化」などということが当然のようにいわれます。
しかし著者は、みんな勘違いしている、と喝破します。会社は顧客のためのものでも、まして株主のためのものでもない、というのです。
社員が喜びを感じ、幸福になれて初めて顧客に喜びを提供することができる。
顧客に喜びを提供できて初めて収益が上がり、株主を幸福にすることができる。
だから株主の幸せは目的ではなく結果である――これが著者の主張です。
目からウロコが落ちる思いの経営者、社員の方々が大勢いるのではないでしょうか。

第2部では、そのことを実証する「日本でいちばん大切にしたい会社」が登場します。
心を打つ、胸にしみる現実のストーリーです。
働くことの意味、会社という存在の意味を深く教えてくれる、必読の1冊です。