野生生物の供養

境内の百日紅サルスベリ)が咲き始めた。
サルスベリは強健で花期も長いのだが、樹高が高くなると手入れが大変だと思っていたら、樹高が1メートル前後にしかならない品種を見つけたので5、6本買ってみた。
色も赤、紫、白などいろいろである。白い花がまず咲き始めた。

お盆の忙しさで境内を歩く暇がなかったが、久しぶりに境内を歩いた。
日差しが強いが、境内はモミジが茂っているので暑さはそれほどではない。木漏れ日が綺麗である。

参道の奥に見える青いものはイノシシ除けのネットである。

参道の奥には歴代住職の墓所がある。
青々とした苔が生えていて気持ち良いのだが、数日前からイノシシが出没して一面を掘り返した。どうやらミミズを探しているようである。

本堂にお参りに行った母が天井からゴトゴト音がすると報告してくれた。
やはりまだアライグマがいるらしい。アライグマに住み着かれると、ため糞といって排泄物を大量に溜めるので油断ができない。

今年は施餓鬼の時に野生生物供養という塔婆を書いて供養した。
野生生物の研究をされている関西野生生物研究所の方から供養を頼まれたのである。
施餓鬼当日はわざわざ10人あまりの関係者の方が東京近辺からも参列して頂き恐縮した。

こうした研究を志される方は動物への思いが一際強い方ばかりだと思うが結果的に駆除に関わることはとても複雑なものがあると感じられた。

当地でも里山にドングリなどを植えて、野性生物と人間の棲み分けを図る試みが始まった。
だが一旦、人間の食べるニンジンやカボチャやタマネギやスイカの味を覚えた動物に

   「これからはドングリで暮らして下さい」

と言えるものだろうか?…大いに疑問と言わざるを得ない。

第一、 動物の数が増えれば餌を求めて人里に出没することは明らかである。

供養するから駆除してよいというものでもない。だが、地域の農業は獣害で壊滅的な打撃を受けつつある。作っても盗られてしまうという心理的なダメージも大きい。
畑に入っているサルを威嚇したら、逆にキレられたという笑えない話まで聞く。サルの逆ギレである。

人間と動物はどのように共存していくべきなのか…山寺に居るといやでものこの問題を考えざるを得ない。

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