時給160円のお仕事
午前中は法事が一件。
檀家さんの家は本道から500メートルほどの小道を入った10軒ほどの集落の中にあった。車で小道を走っていると道の両側は色づいた稲穂が海のように波だっていた。
稲の刈り入れが始まっていた。
兼務している山寺では亡くなった祖母が田んぼや畑に精を出していた時期がある。
刈り入れとなると家族総出て手伝うのが常だった。子供の私達も刈り取った稲を運んだり、稲木にかけるのを手伝ったものだが、今はコンバインを使って機械で刈るのが普通で、稲刈りの光景も随分と変わったなあと思わずにはいられない。
- 作者: 杉山経昌
- 出版社/メーカー: 築地書館
- 発売日: 2006/09/13
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宮崎県の綾町でぶどう園を営んでおられる杉山経昌さんという方がおられる。
この方は前職は大手の外資系企業に勤めておられた方で農業から「ムダ」と「ムリ」を省いてやりがいのある農業を提案されているユニークな方である。
杉山氏は脱サラで農業に転向されたが、エレクトロニクス関係の企業におられて自身も技術畑の方である。就農する前に農協からデータをもらって30品目あまりの作物を栽培して得られる収入や労働時間などをシュミレーションされた。
全品目のうち最下位の収益だったのが稲作だったのだという…
杉山氏のシュミレーションでは
稲作の時給はなんと160円になってしまったのだという…
稲作は労働時間も少なく、粗収入も決して低くない(時給換算で2000円)にもかかわらず最終的な収益は一時間働いても160円しか残らない。よって稲作はやるべきではないというのが杉山氏の結論である。
杉山さんの分析によれば日本の稲作は稼働率が低くて、価格が高くて壊れやすい機械がやたらと必要であることが最大の原因だという。
山寺の檀家さんの殆どが農業に就いておられる。兼業農家の方が多いが、どなたに聞いても農業は儲からないといわれるのである…
お寺としても農業をされている方をなんとか応援したいと思っている。
11月の繁忙期には地元の農家の方が門前の屋台で地場産の野菜を売っておられるが、安くて新鮮と大好評である。大抵の野菜が1個100円なのである。
兼務しているお寺の檀家さんも境内で野菜を売っておられるが、この1個100円の値段に対抗するためにやはり1個100円の野菜を売っておられる。どう考えても儲かっていない(笑)なんとか農業をされている方達がもっと経済的に楽になり、身体も楽になる方法は無いものかと考えるのだが、何か良いアイディアは無いものだろうか?
本日は或る檀家さんが新米をお供えして下さった。
内仏(庫裏のお仏壇)にお供えしてから頂くが、一年のご苦労を偲んで大切に頂きたいと思っている。
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