魔女と宇宙船 〜五十嵐大介「魔女 第2集」〜
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/01/28
- メディア: コミック
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読みたかった本を中古書店の100円コーナーでゲットできるくらい嬉しいことは無い…
家に帰ると赤ん坊が泣いていたので、試しに「魔女2」の台詞を読み聞かせたら泣き止むではないか!恐るべし五十嵐大介。否、漫画好きの遺伝子がわが娘にも?ちょっと嬉しい。
「どうして本を読んではいけないの?」
「あんたには経験が足りないからよ。“体験”と“言葉”は同じ量ずつないと、心のバランスがとれないのよ」
「あなた方の立場から見れば、わたしは2つの世界をつなぐ者。言葉のある世界とない世界の。あなた達の世界は“有限”。わたし達の世界は“無限”」
「あなた達の言葉は、ありとあらゆる可能性を特定の性質に切り分けるナイフ。自分達の都合のいいように世界を刻む道具。わたし達は世界をあるがままに見る。わたし達は言葉を知りながらそれを棄てることができる者。魔女は無限の世界と繋がっていて、有限のあなた達に捉えることはできない。かっては全ての存在が無限であったのにね」
「魔女 第2集」の第1話「PETRA GENITALIX」は諸星大二郎の「生物都市」に少し似たところがある。
第7回の手塚賞に入選した「生物都市」は傑作だがここで描かれた<混沌と融合していく存在>というテーマは遠藤浩輝「EDEN」でも宮崎駿の幾つかの作品でモチーフになっている。
以前にも書いたがそれがきっと本質的で普遍的なテーマなのだろう。
存在というもの、あるいは特に無意識下においての存在というのはおそらくこうした得たいのしれない融合と混沌、生成化育のうちにあるのではないかと思っている。
面白いのは五十嵐大介も宮崎駿も世界の本質に触れるのが女性(少女)であるのにたいして諸星作品ではそれが男性(少年)なのである。この違いは何か少し興味があるところではある。
わが娘が良き魔女にならんことを願っている。
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