暮秋の山寺にて

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【紅葉情報】境内のもみじは大半が散っています。
【名物“釜炊きぜんざい”】【観音寺の大根だき】今年度は終了しました。ありがとうございます。
【門前の野菜売りのおばさん】【金剛院ライトアップのお知らせ】本年度は終了致しました。ありがとうございました。

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数日前のことである。夜中に庫裏の裏手で動物の鳴き声がした。

「…キョンキョンキョンキョン…」

かなり大きな鳴き声だったので、子鹿くらいの大きさの動物を想像した。正体は全く不明…
翌日、朝食の時にそのことを話したら、母親が

「きっとリスだと思う」

と自信たっぷりに言った。どう考えてもリスはそんな声で鳴かない(笑)
私と住職は思わず笑ってしまった。

今朝は久しぶりにリスを見た。

庫裏の裏にある千年ガヤの前で朝の空気を深呼吸していた。
カヤの横に15メートほどの樫の木が何本か立っていて、この時期は落ち葉の掃除が大変である。朝の静かな空気の中では一枚の樫の葉っぱが落ちても意外なくらい大きな音がする。

落ち葉の音に混じって、千年ガヤの上のほうでカサカサと物音が聞こえた。見上げると灰褐色のリスが太い幹を伝って上下していた。リスは樹木の表面をかなりのスピードで移動していた。垂直な樹の幹を駆け上がったり、駆け下りたりしている様子がとにかく可愛い!朝から幸せな気分になれた。


今日の午後は遠方からお客様があった。

私が以前お世話になった或るお寺のご住職が旅行の途中に立ち寄ってくださったのである。

このご住職は過疎で作り手の無くなった田んぼを8反も稲作されている。
以前、お遭いした時も実に楽しそうに米作りのお話をされていた。私は内心「これはウチの住職ときが合いそうだな…」と思っていたら、案の定、畑作りの大好きな住職と初対面であっという間に意気投合されたので可笑しかった。

帰り際に住職から大豆の種をもらって休耕田に植えるのだとうれしそうに話して帰られた。



夜、山門の向かいにある倉庫に荷物を取りに行こうとした。

山門の前に川があって小さな橋が架かっている。その橋を渡ろうとして思わず足が止まった。ちょうど満月が出ていて、その光に照らされたコンクリート製の橋の上が一面、霜が降りたように見えたのだ。

牀前月光を看る 疑うらくは是れ地上の霜かと(「静夜思」)

李白の有名な詩の一節に月の明かりを霜に見まごうというのがある。作者の想像が入った大げさな表現だと思っていたのだが、本当に霜が降りたように見えたのには少し驚いた。倉庫から帰って、庫裏の入ろうとすると庫裏の瓦屋根まで一面に、鈍い白色に輝いていた。

今年の秋は例年に比べて少し暖かいが、もうすぐ寒い冬がやってくる。

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