感情をコントロールして素晴らしい人生を築く

妻が境内にあるお大師様の石像にお参りに行ったら、お供えのご飯や果物が無くなっていて、一緒に置いてあった陶器製の観音様が倒されて壊れていたそうである。どうもサルの仕業らしい…と話していたら、住職が「そう言えば倉庫に置いてあったミカンがごっそり減っている」と言うではないか。どう考えてもサルである。「とりあえずミカンの箱に蓋しておいた」と住職は言うが、蓋したくらいではあんまり効果がなさそうである…




閑話休題。私たちを突き動かしている一番強い感情は<好きか、嫌いか>という感覚ではないかと思う。

中でも<自分が好き>という感情は一番強いのではないだろうか。

時々、<自分が大好き>という人がいて、こういう人といるとぐったりしてしまうことがある(笑)

自分が好きの反対はもちろん<自分が嫌い>である。

だが<自分が嫌い>という感情が強い人も周りを暗くさせたり、嫌な気持ちにさせることが多い。


正反対なのに同じような結果をもたらすというのは面白い。


仏教が現代に果たす役割のひとつは<感情をしっかりコントロールする>ということではないかと思う。

感情をコントロールするといっても無感動になることではない。ここはよく誤解されるところである。

人間的な喜怒哀楽を豊かに持っていて、なおかつそれに振り回されないということである。
どちらかといえば涙もろいくらいになる。人情の機微も分かり、自然にも芸術作品にも感動する。そして尚且つその感情を超えていくことができるということではないかと思う。


私たちはコントロールできない感情に大きく振り回されていて、自分の持っているエネルギーを大いに浪費してしまっているのではないかと思うことがある。

感情のコントロールができるようになると、人生の大きな目標にむかって迷わず、ためらわず邁進できることになる。もしそれができたらとても素晴らしいことではないだろうか?

病気などもコントロールできない感情によって引き起こされることが多いのではないかと思う。

病気をはじめとする人生についてまわる様々な不幸や災難も、怒りや嫉妬や恨みなどといったマイナスの感情が引き寄せている部分が多いにあると思う。


逆に言うと感情がコントロールされて前向きになったり、愛情が深まると、それに見合う優れた人達と新しい縁が結ばれることができる。良き友人、優れた師匠、理想的な伴侶などである。

感情をコントロールして人生を豊かで素晴らしいものにすることが現代仏教のとても大きなテーマだと感じている。

感情をコントロールできると人生は素晴らしいものになる…そのことはもっともっと多くの人に知ってもらいたいと思っている。最近は感情や好き嫌いだけで世の中を渡っている人があまりに多いように思うのである。

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