お勧めの武術系の本 その1

【山寺の本棚】
 


ようやく正月の飾りつけも終わり、ひと段落ついたところである。
いくつかのブログを拝見すると年の瀬にふさわしい季節感のある話題ばかり。

空気が読めなくて申し訳ありませんが(笑)、本日は今年読んだ(読み返した)武術系の本を何冊かご紹介してみたいと思います。


武術の構造―もしくは太極拳を実際に使うために (BUDO‐RA BOOKS)

武術の構造―もしくは太極拳を実際に使うために (BUDO‐RA BOOKS)

一冊目は山田英司「増補改訂版 武術の構造」(東邦出版)。

私は「拳児」や「北斗の拳」を愛読しているが、では果たして中国武術はファンタジーを超えたリアルな強さたりうるのか?という疑問に明快な答えを与えてくれるのが本書である。

1 中国武術は実際に使えるのか、否か?
2 使えるとしたら、その戦いの実際のスタイルはどのようなものか?
3 どのようにすればそのスタイルを通して達人になれるのか?

この3つが本書の最大のテーマであり、その考察は徹底して具体的である。

40年以上に渡る武道、格闘技の修練に加えて<実際に使える中国武術>を目指す徹底した考察と実践が素晴らしい。

武道、格闘技系のマスコミで長らく仕事をされてきただけあって蓄積された知識の量も半端ではない。

そして何より中国武術への飽くなき情熱と愛情がひしひしと感じられる。

ひとつのことを好きになり、そのことに打ち込むことの素晴らしさを感じられる。




(秘)牌の音stories 1 (近代麻雀コミックス)

(秘)牌の音stories 1 (近代麻雀コミックス)

みやわき心太郎「牌の音 STORIES」(竹書房)全4巻

本書は「雀鬼」の異名で20年間無敗の伝説を作った桜井章一氏を主人公に、現役引退後の後進の指導や現役時代のエピソード、桜井氏の人柄に惹かれて集まる人々との交流を描いた漫画である。

麻雀と武術は関係ないと思われるかもしれないが、本書を読んでみれば、麻雀のプロの戦いが武術、武道の戦いに全く遜色のないものであることがすぐに理解できる。本書には新進気鋭の武術家甲野善紀氏も登場する。(桜井氏と甲野氏の交流は対談集にもなっている。)

強いとはこういうことなのか、強くなるためにここまでしなくてはなたないのかと教えられる。

桜井氏は「勝つことは虚しい」と言う。そう語れるまでに桜井氏がどれほどの血と汗を流して来られたか想像に難くない。

私は全く麻雀の知識は無いのだが、少しでも知識があればより面白く読めるだろう。
麻雀という枠を超えて、人間としての強さ、勝負強さ、人生に対する打たれ強さを学びたい方にも最適である。


弓と禅 (禅ライブラリー)

弓と禅 (禅ライブラリー)

中西政次「弓と禅」(春秋社)

「武禅」という言葉があるが、弓道の中に禅を見出すことの難しさと素晴らしさが達意の文章で書かれている。

特に梅路見鸞老師の超絶的なエピソードに心を奪われてしまう。






今年も残すところ後僅かである。
今年も拙文をつづることが出来たこと、多くの方にご照覧頂いたことに感謝を感じる。

   
    何か愉し年終わる夜の熱き湯に   日野草城



オマケです…こんな流れ星にお願いしたら即実現しそうです。拙文を読んで下さっている皆様の願いがこれからもどんどん実現することを願って下ります。

【ふたござ流星群の写真】http://www.gizmodo.jp/2009/12/post_6560.html

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