ネンデルタール人に花束を
人類はいつから死者を弔うようになったのだろうか。
「ネアンデルタールは死者に花を捧げていた」という話をきかれたことはないだろうか。
私も初めてこの話を聞いた時にかなり感銘を受けた記憶がある。
ところが…
先日中古書店で買った「人類進化の700万年」という本を読んでいたら面白いことが書いてあった。
- 作者: 三井誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/17
- メディア: 新書
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ネアンデルタール人が死者に花を捧げていたとされたのは、北イラクのシャニダール洞窟でネアンデルタール人の遺骨の周辺から大量の花粉の化石が見つかったことによる。ところが1960年代にこの「シャニダールの花粉」が発表されて以後に見つかったネアンデルタール人の化石の周りでは花粉は発見されていなのだそうである。ネズミが巣を作るために草花を集めてきたという研究者もいるそうである。
私たちが科学の発見を常識として知識を共有している間に、それを覆す発見がされているというのが実感である。最新の研究について分かりやすく書かれたものを読むのはとても面白い。特に人類学は私たち人間に直結するわけだから面白くないわけが無い。
人類の祖先はもともとビタミンCを作る酵素を持っていたが、いつの間にかこの酵素が退化してしまい、人類はは食物からビタミンCを摂らないと身体が維持できなくなった。長期間野菜や果物を摂れない船乗りが壊血病という病気で死んでいた所以である。(ちなみに中国人の船乗りはお茶を飲んでいたので、お茶のビタミンCで壊血病を防ぐことができたと聞いたことがある)
面白いのはこのビタミンCを作る酵素が退化した理由である。
人類の祖先が暮らしていた森には豊富に果実などがあった為にこうした現象が起こったと考えられているそうである。
私は果物好きなので周りに美味しそうな果物が食べ放題というのは少し羨ましい(笑)
モルモットや象も同じくビタミンCを作ることができないが、やはり果物が豊富な環境で暮らしていた時代があったということなのだろうか。
豊富に食べ物があればあまり生存競争は激しくないのではないだろうか?
沢山の生き物が豊富な食べ物に恵まれて平和に共存していたという時代があったのかもしれない。
この本にはこうした最新の人類学の知見が分かりやすくまとめられている。
人類が二足歩行を始めたのかもいまだに解明されていないそうである。
その有力な説明としてメスが子供を抱えて食料を探し回るのは大変だったので、メスは食料を持ち帰ってくれるオスを好むようになり、両手で食料を抱えてメスのもとに運ぶことが二足歩行を促したという説も取り上げられている。…なんか身につまされます(笑)男は昔から妻子を養うために苦労していたのだと納得してしまいました。
【告知】
2月3日午前10時より節分祈願祭が行われます。年に一度の本尊波切不動明王様ご開帳の機会です。祈願お申し込みはお早めに願います。(当日参拝できない方、遠方の方には後日、御札を送らせて頂きます)詳細はHPにて。→http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/
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