初アニメと般若心経

【山寺の本棚】【密教入門】

子供が6ヶ月になり離乳食が始まった。
最初はリンゴの果汁を薄めたものを一口から始める。なかなか先の長い話である。

老婆心ながらそろそろアニメも見せないと…と思い、昨日は「装甲騎兵ボトムズ」をチラッと見せ、それからナイツの漫才のDVDもチラッと見せた。

今日は「銀河英雄伝説」のオープニングだけ一緒に見ながらラインハルト様の華麗な経歴についてレクチャーした。いつか全巻108話?を通して一緒に観たいものである。

銀河英雄伝説 Vol.1 [DVD]

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閑話休題

般若心経講義 (角川ソフィア文庫)

般若心経講義 (角川ソフィア文庫)

これは先輩の真言宗のお坊さんに頂いたものだが、とても良い内容である。
著者が戦前にラジオで行った講義だが、今読んでも古さを感じさせない。名講義の風格がある。文章の向こうか著者の深い学識と人柄が伝わってくる。ラジオの講義なので言葉も平易で分かりやすい。


この中に面白いことが書いてあった。「続日本紀」に天平宝字2年(758年)に淳仁天皇詔勅についてである。
詔勅の趣旨は<天皇も国民も「般若心経」を読誦すれば天下は安泰となり、個人も厄災を逃れ、様々な福徳利益を得る>というものである。
はるか昔に「般若心経」の功力が厚く崇敬されていた時期があったらしいのである。

今日、私達が「般若心経」を読むのは故人への供養や仏菩薩への礼拝の<手段>としてではないだろうか。だがある時期の日本では<般若心経>というお経そのものへの篤い信仰があったようなのである。

地元では経箱に般若経を入れて家々を回る行事が残っている。これなどもお経そのものが篤い崇敬の対象だったことの名残のように思うのである。「般若経」を読む大般若という行事も多くのお寺で行われている。
(ちなみに「般若経」という大部なお経のエッセンスを纏めたのが「般若心経」である)
淳仁天皇詔勅では「般若心経」を通読できなくてもその呪の部分だけを唱えるようにと説いている。
般若心経の呪とは言うまでも無く

羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶

という部分である。

真言宗真言、印、観想の3つが大きな柱であると昨日書いた。

印というのは多くの場合秘伝とされる。私達真言宗の僧侶は袈裟の中で他人に見えないように護身法という印を結ぶのが常である。葬儀でも導師となった僧侶が故人に秘密の印を伝えることが多い。印というととても特殊なものと思いがちだが手を合わせて合掌することも立派な印なのである。

「般若心経」に呪=真言がある以上、合掌して「般若心経」を読経することは立派な真言の行と言えるのではないだろうか。決して軽んじてはならないのである。ではその時、どのように観想すべきだろうか。それは故人と先祖代々への感謝と仏菩薩への感謝で良いのではないかと思う。

「般若心経」というと簡単なお経のように思っている人も多いが、読誦の仕方によっては本格的な真言の行となることはもっと知られて良いように思う。


【告知】
2月3日午前10時より節分祈願祭が行われます。年に一度の本尊波切不動明王様ご開帳の機会です。祈願お申し込みはお早めに願います。(当日参拝できない方、遠方の方には後日、御札を送らせて頂きます)詳細はHPにて。→http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/



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