「前に進まなくてもいいんじゃない?」?
昨日寺沢武一の「コブラ」について書いたらishda様から丁重なコメントを頂いて、いろいろ考えさせられた。
Ishida様の「前へ前へ進む時代が終わった」という表現にはとても考えさせられた。
私自身が漠然と感じていたことをぴったり言い当てた言葉だったからである。
確かに今の日本には
『前に進まなくてもいいんじゃない?』
という空気がある。
価値観が多様になるのはいいことだが、そのひとつの結果として人間の動物的なエゴのようなものが剥き出しになってくる感じがする
なぜならモラルや倫理もひとつの価値観として肯定(否定)されるようになってくるからだ。
子供の給食費払わなくてもいいんじゃない?
不倫したっていいんじゃない?
親の面倒を見なくてもいいんじゃない?
自分が産んだ子供だからって育てなくてもいいんじゃない?
ただひとつ危惧するのは、笑われるかもしれないが、この空気の延長に上に
別に生きていかなくてもいいんじゃない?
という、自分の生存そのものをひとつの価値とみる考え方が存在することである。
しかも他人とのつながりの中で自分の生死を考えるのではなくて、完全に自己決定として自分の生死を考える
日本の自殺者は人口10万人当たりの比較で米国の2倍、英国の4倍である。この数はどう考えても多すぎる。
【国別人口10万あたりの自殺者数の比較】http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2770.html
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全然話は少し変わるが、アクション系の映画が好きな方にお勧めしたいのが「リベリオン」という映画である。
監督のカート・ウィマーは最近「ウルトラヴァイオレット」を製作したが、私は断然こちらがお勧め。
人間が感情を持つことが禁じられ、絵画や音楽のような芸術ですら感情を乱すものとして禁じられている。
WIKIに詳細な説明があがっているので解説はそちらを参照して頂きたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3
ひとことでいうとものすごく潔癖で感情を排除した世界がデストピア的に描かれていて、その姿が日本の姿とどこかリンクするのである。
最大の見所は「ガンカタ」という拳銃を使ったアクション。これは一見の価値ありで、拳銃と武道の型を取り入れ(「カタ」というのは武道の「型」のことらしい!)、さらに「マトリックス」などの影響もしっかり受けている。
この「ガンカタ」は拳銃を使ったアクションとしては独自の境地ではないだろうかと思う。残念ながら「ウルトラヴァイオレット」もこの「レベリオン」には負けている感じがする。
ひとつには「リベリオン」の極度の管理社会という世界観とガンカタのメチャクチャ自由奔放なアクションの組み合わせが私たちに何かを感じさせるのかもしれない。
不自由という背景の中で自由が輝く。
もし全てが自由になってしまえば自由のそのものが曖昧で、輝きを失ってしまうのかもしれない。
ちょっと強引な結論である(笑)
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