地誌を学ぶ

十年以上乗っているカローラの調子が悪いので軽自動車に買い換えることになった。
車というのは全く関心が無い分野なので車に関するあらゆることに無知である。

普通車は白ナンバー、軽自動車は黄色ナンバー

そんなレベルから学習している。いつになったら買い換えられるやら…



本日の午後は地元の歴史を研究されているグループの勉強会に参加。

地元の歴史というのは興味津々なのだが、定例会は土曜なので仕事が入ることが多いため勉強会に参加できないことが多いのが残念である。

この勉強会では地元の年配の方を招いてお話を伺うことが多い。
本日も地元のT地区の初老の男性が招かれてお話して下さった。
この方はわざわざ地元の航空写真を持ってこられてT地元の歴史を話して下さった。

印象に残ったのは隠し田の話である。

昔は水があって、日当たりの良い場所には大小無数の田んぼを作ったというのである。実際、航空写真には山奥の広大な棚田がはっきり写っていて少々興奮した。耕作されなくなって荒廃してしまった棚田はさらに多くて、公表されていた水稲面積と同じくらいの収穫があった可能性があるという。

畳一枚くらいの小さな田んぼが沢山あって、中にはもっと小さいものまであったという。「田んぼを数えたら一枚足りないのでおかしいと思ったら脱いだ置いた蓑の下に田んぼが一枚隠れていた」という笑い話があるそうである。

地誌を勉強すると昔は非公表の稲作が多かったという話が頻繁に出てくる。
隠し田というのは特別なことではなくて半ば公然と農業に組み込まれていたのである。

昔は小学校の歴史の教科書で「五公五民」などという高い租税の話を必ず習った。
よく考えると厳密に5割の税金を課されても、非公表の収入が多ければ必ずしも重税にならない。
<悪代官がお百姓から過酷な租税を取り立てていた>という固定観念は改めたほうが良いのかもしれない。

他にも○○○天皇が逃れて来たという言い伝えにある場所とか、戦争中の面白いエピソードなど話題は尽きなくて4時間ほどがあっという間に過ぎてしまった。

一般教養として学校で日本や世界の歴史を習うのは大いに結構だが、まず地元の歴史を風土を習うことがとても大切なのではないかという気がする。

最近は若い世代が都会に出て行ってしまうことが多い。近年は地元に就職口が無いというのが厳しい現実であるが、若い世代が地元に愛着や関心が無いというのもひとつの原因かもしれない。

地元の地誌を学ぶと興味ある事実がいろいろと出てくる。
若い世代、特に子供達にもっと地元の歴史に興味を持ってもらって、できれば教科書で習う歴史とつき合わせて学習してもらったら面白いと思う。

お寺というのは地誌とかかわりの多い存在である。
若い世代に地元の歴史をしっかり伝えていくこともお寺の新しい役割かもしれないと思う。

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