法隆寺、その後

大学1年の夏に京都、奈良を旅行した。

そして法隆寺の荘重な伽藍や仏像の数々に感激した。
法隆寺を訪れた後に京都の仁和寺を訪れた。
この時、法隆寺の興奮がまだ醒めていなかったせいか仁和寺というお寺もとても印象に残った。もし法隆寺の後に仁和寺を訪れなければ、それほど印象に残らなかったかもしれない。その辺はかなり微妙なものがある。

真言宗の僧侶になることを決めた時に、どの本山で得度し、修行するかを決めなければならなかった。その時に大学生の頃訪れた仁和寺の印象が強く残っていたこともあって私は仁和寺を選んだ。

だがもし法隆寺を訪れた感激や興奮がなければ別の本山を選んでいたかもしれない。

どの本山を選ぶかは僧侶としての行く末を大きく左右する。その意味では法隆寺というのは私にとって機縁のあるお寺と言えるかもしれない。

…さて、昨日の続きである。

何を血迷ったか作務衣姿で法隆寺を訪れ、肩身の狭いまま式典の会場に入った。

【関連記事】 http://www.nara-np.co.jp/20100511111139.html

簡単なお披露目かと思いきや、会場には新聞記者、テレビの取材席が設けられていた。
管長と北後氏の序幕の後、法要が行われた。法要では般若心経が読経されたのだが聞いたことのない独特の読み方で興味深かった。記者会見、インタビューと続き、その後、執務長の方に伽藍を案内して頂き、最後に直会(食事会)があった。


仕事柄、いろんな方にお逢いするが、私は天邪鬼なのか、偉い人が偉そうにしているとヘソを曲げたりすることがある。

法隆寺という日本屈指のお寺の管長ともなればどんな偉そうな方なのかと思いきや、管長様はそんな気配が微塵も無いのである。これには全く頭が下がった。そして管長様がお話されると、じわーっとお人柄が滲み出るようにお話されるのである。その風情にも心を動かされた。機会があれば講演会などでまたこの方の御話を聞いてみたいと思った。素晴らしい方にお逢いできたととても嬉しかった。

管長様は私の作務衣姿も気にとがめる風もなかった。流石である…



ブログランキ
ング・にほんブログ村へ
にほんブログ村法隆寺の大好きな副住職に応援のクリックをポチッとおねがいします(^人^)