坊主DAYS 〜日本初の禅宗坊主コミック・エッセイ〜
【山寺の本棚】
- 作者: 杜康潤
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2009/12/17
- メディア: コミック
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ブックオフオンラインで注文した書籍の中の一冊である。
作者(女性)の兄は臨済宗のお寺の跡取り息子である。
檀家千軒を持つ大寺の息子である兄に綿密に取材して描かれたのがこの「坊主DAYS」である。
著者の兄の修行僧時代を中心に、お寺のこと、お坊さんの衣食住などを分かりやすく描いた日本初の坊主コミック・エッセイが登場!
とは裏表紙の言葉だが、手に取った妻も興味津々で笑いながら読んでいた。
真言宗に属する私にとっても臨済宗というのは未知の世界なので、同じ僧侶といっても修行の方法は全く違うのでとても面白い。
禅宗のお坊さん同士の会話を聞いていると全く意味不明のことが多い。「ラクス」「イノウ」「トウス」「セッシン」「シケ」…僧侶である私にとっても近くて遠い禅宗ワールドがこの本を読んで少しだけ分かった気になった。
現代は葬式も要らない、戒名も要らないという人が増えつつある。
問題はその動機である。
ある種の達観なのか、経済的理由なのか、既成の仏教に対する真摯な批判によるものなのか、それとも大いなる誤解や偏見に基づくものなのか…
先日も大阪から来られたという参拝者の方とお話していたら、「浄土真宗から真言宗に点派したいと考えているが無理でしょうか?」と尋ねられたので「多分、後十年もしたら宗派や菩提寺を自由に選ぶ時代がくるでしょうね」とお答えした。
かって住職があるお坊さんにこう言っていたそうである。
「お坊さんが一番悩んでいる」
いよいよ責任が重くなるにつれて私も悩むことが多くなった。
多分、住職も同じ道を歩んできたのだと思うとまた別の感慨が湧くのである。
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